内閣府がだしている令和元年度9月世論調査「女性が職業をもつことに対する意識」のなかで「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人の割合が初めて6割を超えました。今回はこの結果についてもう少し詳しくみていきましょう。
最近の世論調査の結果
1992年の調査開始以来、「子どもができても仕事を継続したほうがいい」の回答が過去最高の61%をしめました。次は「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」と答えた方は20.3%となっています。このことから出産後、子育て後は女性も仕事をするのが普通のことになったといってよいでしょう。
女性が仕事をもつことに対する意識
男女別の違いは?
男女別でみてみると「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」については
女性が63.7%、男性が58%で女性の割合が高くなっているのがわかります。
男女別
女性の年齢別の違いは?
女性だけの数字をみてみましょう。
「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と思っている年齢は「50~59歳」が74.1%と1番高い割合をしめていました。次は「40~49歳」の73.7%。ピークの子育てを過ぎたであろう「50~59歳」の年齢が高い割合をしめているところが意外といえます。
男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年。今から33年前。この「50~59歳」は、男女雇用機会均等法が施行される前後に大学、高校を卒業した年代に該当します。この年代は出産したら仕事をやめるのが普通のことでした。働きたくても女性が働く環境や制度が整っていなかったからです。昔とは違って今は「出産しても仕事は続けたほうがいい」今はそれができる!という想いがこの74.1%の割合となっているのかもしれません。
女性の年齢別
出産して仕事を続けるメリットは?
子どもができても仕事を継続したほうがよいと思える理由をあげてみました。
- 一度退職すると再就職は難しい
- 経済的に安定したい
- 年金をもらいたい
- キャリアを継続できる
就職希望者が多い年代は?
労働力調査・総務省統計局の年齢別の就業希望者(パート含む)の内訳(女性)をみてみると「35~44歳」が27.7%となっています。
これは子どもが小学生高学年、中学生になって、そろそろ仕事を始めよう、と考えられる年代です。
女性の就職希望者
非正規雇用者が多い年代は?
労働力調査・総務省統計局の年齢別の非正規の職員内訳(女性)をみてみると「45~54歳」が25.2%となっています。
女性の非正規雇用者
子どもが成長し手がかからなったので、パートやアルバイトで働いている女性が多いと考えられます。
おわりに
「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」に6割以上の人が回答しているということは日本社会が出産しても仕事をやめなくてもよいという環境になってきたという見方もできます。また、政府の幼児教育・保育の無償化、育児休暇の取得率増加、ワークバランスの促進なども影響しているといえるでしょう。
ただ、すべての女性が出産後、仕事に復帰したいかというのは未知数です。将来のことを考えれば共稼ぎで働いたほうがよいはずですが、仕事を辞めて、子どもの成長を見届けたい人もいるはず。誰しもが産後も働くのが当たり前という社会になってくると逆に女性の選択肢が狭くなってしまいます。これからは一度、退職した女性がまた働けるような、働きたい!と思えるプラットフォームを整えていくことが大事になっていくのではないでしょうか。
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