バービー人形は1959年に誕生し、瞬く間に女の子の心を掴みました。ブロンドの髪や可愛いドレスなど、女の子が憧れる要素が詰まっていたからです。
そのようなバービー人形ですが、新たにダウン症のバービー人形が仲間入りし、話題となっています。
この記事では、ダウン症のバービー人形について詳しく解説します。
ダウン症のバービー人形に込められた願いとは?
ダウン症のバービー人形は、どのような願いが込められて誕生したのでしょうか。
また、モデルとなった女性の思いなども以下に紹介します。
インクルージョンの重要性を発信
インクルージョンとは、多様な人々が互いに尊重され、それぞれの力を発揮できる状態のことを指します。
私たちの世界が、今後より良い状態になっていくためには、様々な多様性をお互いに尊重しながら、共に生きて行ける社会を作る必要があるのです。
今回のダウン症のバービー人形には、このような願いが込められています。
他者への理解や共感を促す
バービー人形を通して、自分との共通点を探すと共に、自分とは異なる部分を自然と理解し受け入れることができれば、他人に共感する心を育めます。
遊びを通して、子ども達が自然と他者との違いや共通点を受け入れ、固定された概念にとらわれない生き方が出来るように促しています。
差別や偏見のない社会づくり
ダウン症のバービー人形を発表したマテル社のリサ・マックナイト氏は、「遊びを通じて社会スティグマに立ち向かうという使命を果たしたい」とコメントしています。
社会スティグマとは、一般とは異なるという意味から差別や偏見の対象として使われる属性のことを指し、このような風潮に立ち向かうという意味合いが込められています。
ダウン症のバービー人形を通して、子ども達の間で差別や偏見が生まれない社会を作ることを目的としているのです。
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ダウン症のバービー人形が発売されるまでの道のり
最初のバービー人形の発売からダウン症のバービー人形が発売されるまでには、長い時間がかかりました。
しかし、その間に様々な改良も重ねられてきたのです。
以前のバービー人形は共通点を見つけにくかった
バービー人形は、1959年に初めて誕生しましたが、その当時の人形の体型はウエストが極端に細く、長い足が特徴的でした。
このバービー人形を見た人々からは「現実離れした美の基準」だと批判の声も多く挙がっていたのです。
しかし、当時の美の基準として、女性なら誰もが憧れるであろう体型をバービー人形で表現することで、多くの人に購入してもらいたいという意図があったとされています。
時代と共に様々なタイプのバービー人形が登場
発売当初の批判を受けて、バービー人形を発売したマテル社は「車椅子」や「補聴器」、「義肢」などを使ったバービー人形を次々と開発していきます。
また、多様な文化を表現するために、肌の色も様々なタイプのものが販売されました。
時代の変化と共に、多様な人形を通して違いや共通点を認め合いながら生きる社会というテーマがバービー人形にも活かされるようになっていったのです。
世界初ダウン症のバービー人形発売へ
様々な多様なバービー人形が登場する中、ついにダウン症のバービー人形が今回登場しました。
マテル社は、全米ダウン症協会と協力し、身体的な特徴やダウン症のシンボルである「蝶」と「黄」、「青」をあしらったドレスをバービー人形に着用させるなど、ダウン症の人達が自分たちとの共通点を見つけやすい外見になるよう工夫しています。
この挑戦に、全米ダウン症協会のカンディ・ピッカードCEOは、大きな前進だとして非常に評価しています。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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