妊婦さんの中には、「つわりがひどくて、朝の満員電車がつらい…」と思いながらも、毎日頑張って出勤している方もいるでしょう。大切な赤ちゃんを守るため、そして妊婦さん自身の身体を守るためにも、無理は禁物です。本当につらかったら、母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)を利用しましょう。今回は、母性健康管理指導事項連絡カードの概要や入手方法などについてお伝えします。
母性健康管理指導事項連絡カードって何?
妊娠中の方・出産経験のある方は、母性健康管理指導事項連絡カード(以下、母健連絡カード)を知っていますか?「なんとなく聞いたことがあるけど…」程度の方も多いのではないでしょうか。あまりなじみのないこのカード、働く妊産婦さんに重要な役割を果たすものなんです。
妊娠中の女性が無理なく働くための書類
母健連絡カードは、働く妊婦さんが主治医から通勤・勤務時間・休憩などについて指導を受けた場合に、その内容を的確に勤務先に伝える役割を果たす書類です。母健連絡カードを提出された勤務先は、指導内容に応じた措置をとる必要があり、これは男女雇用機会均等法第13条にも定められています。
最近はマタハラ(マタニティーハラスメント)という言葉を耳にすることがあります。「母健連絡カードを提出して、嫌みを言われたらどうしよう」と不安に思っている方もいるかもしれませんが、このようなことはあってはいけないことです。男女雇用機会均等法の第9条でも、妊娠や出産、産休の取得、母健連絡カードの利用などで解雇や不利益取り扱いをすることは禁止されています。
妊娠は病気じゃないけれど、無理はNG!
「妊娠は病気ではない」とよく言われます。日本の国民健康保険の制度においても、妊婦健診の補助券や出産育児一時金などが支給されるとはいっても、妊婦健診や分娩にかかる費用は基本的に健康保険の対象外となっています。
理解のない人からは「病気じゃないんだから甘えちゃダメだよ」、「○○さんはつわりでも元気に働いてたんだから、大丈夫でしょう?」などと声をかけられることすらあります。たしかに病気ではないかもしれませんが、自分ともう一人の命を守るという大変な役割を背負っている大変な時期。赤ちゃんに会うのが楽しみな一方で、妊婦さんたちはさまざまな不安と戦っているのです。
妊娠~出産までの過程は人それぞれで、比べることはできません。身体からの声にしっかり耳を傾けて、必要に応じて母性健康管理指導事項連絡カードを利用するようにしてくださいね。
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母健連絡カードはどうやって入手する?
妊娠・出産による体調不良に悩まされている女性にとっては、救世主ともなり得る母健連絡カードですが、どうすれば入手できるのでしょうか。また、入手するためには費用がかかるものなのでしょうか。いざというときのために、入手方法や費用について知っておきましょう。
母子手帳にフォーマットが載っていることも
母健連絡カードは、厚生労働省のホームページからフォーマットをダウンロードできます。また、自治体によってはすでに母子手帳上に載っていることもあります。
フォーマットをプリントアウト、または母子手帳を病院に持参し、医師に指導内容・医師の名前・医療機関名など漏れがないようにしっかりと記入してもらいましょう。記入漏れがあると、正式な書類として受け取ってもらえない可能性も。二度手間になりますし、体調不良で苦しいのにすぐに措置をとってもらえなくなってしまいますから、きちんと確認しましょう。
母健連絡カードは医師の診断書代わり
母健連絡カードの発行のための費用は、病院・クリニックにもよります。ただ、一般的には診断書の発行よりも安い金額で発行してもらえるはずです(病院側がそのように指導を受けているため)。おおよそ2000~4000円程度で考えておくといいでしょう。
「診断書も別に必要なの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。母健連絡カードは診断書と同等の効力を持つ書類であるため、基本的には母健連絡カードのみの提出で問題ありません。勤務先によっては両方の提出が必要とされることもあるようです。母健連絡カードは認識率が低く、診断書と同等の効力を持つということを勤務先の担当者が知らない場合も考えられるので、一度勤務先に相談してみるとよいでしょう。
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台湾在住の30代。2011年日本語教師として台湾へ、2013年結婚。3歳年上の台湾人夫と猫1匹と仲良く暮らしています。2015年秋から在宅Webライターとして活動。2013年末からゆるーく妊活継続中。
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