お産中に眠気…寝たら陣痛が遠のくの?
お産の最中に眠気に見舞われた、という先輩ママは多いようです。これは「眠り産」と呼ばれ、かつてはよくないものとされていました。お産の最中にウトウトしかかって、助産師さんに「寝たらダメよ!」と起こされたという話も耳にします。しかし近年、その解釈が変わってきつつあるそうなのです。
ウトウトして陣痛の間隔が開いても「順調」
前述の実態調査によると、眠気出現のタイミングは、赤ちゃんが産み出される2〜3時間前に始まり約1時間持続、そして子宮頸管(けいかん)全開大となるというものでした。しかもβエンドルフィンの分泌も、同様のタイミングでピークを迎えるのだとか。本陣痛の最中に恍惚(こうこつ)とした眠気に襲われることがあるのは、その影響によるものなのですね。産婦さんの中には、ウトウトしているうちに、2分間隔だった陣痛が7分程度にまで開いてしまった、という例もあるそうです。陣痛が遠のいたようにも思われますが、それでもお産は「順調」。眠気は産婦さんの緊張を緩め、休憩にもなるため、眠いようであれば眠ってしまってもOK。眠気が終わったらまた強い陣痛が来る、というような解釈に変わってきているようです。
陣痛を起こす、陣痛を強めるには?
しかし本陣痛が来ていたのに徐々に陣痛が弱くなって、ついには遠のいてしまったという話もまれではありません。強い陣痛を起こすためにまずおすすめしたいのが、歩くこと。無理のない範囲で身体を動かすこと、たとえばスクワットや階段昇り降りをするのも、陣痛を強めるのによいでしょう。
身体を温めることも大切。足湯などで足元を温めるのも好影響が期待できるのだそうです。とりわけ大切なのは、リラックス。緊張や不安を感じていると、アドレナリンというホルモンの分泌が増えやすくなります。エンドルフィンの分泌が抑えられ、痛みもより強く感じられて、いっそう気持ちが不安定になる場合も。全身を脱力させるイメージでゆったりと、眠れるようなら寝てしまってリラックスを。体力を温存・回復して「そのとき」に備えましょう。
おわりに
陣痛は「寝ると遠のく」といわれていました。近年では、お産経過中であっても眠気があるなら寝るのもOK、とすることが多いようです。恍惚(こうこつ)とした眠気は、ご対面のときが近いというお知らせなのかもしれませんね。
分娩後期 に出現 す る産婦の 『眠気』 実態調査・日本助産学会誌 第4巻 第1号(1990)
正常月経周期,妊娠,分娩時のオピオイドペプチド動態の研究・日本産科婦人科學會雜誌
2.くすりと体・日本製薬工業協会
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メンタルコーチとwebライターの兼業をしている40代ワーママです。夫と息子との3人家族。東京生まれ東京育ちの大阪府民です。電車と食べることとヘンテコな踊りと絵本が大好きな、まもなく5歳の息子のお蔭で親として日々成長中です。息子が寝る前に習慣としてつづけてきた絵本の読み聞かせが、もうすぐ通算650冊になります。
Mme_barbon(マダムバルボン)は息子が好きだった絵本『ワニのバルボン』シリーズが由来です。
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