「働きながら子育てをする」ということが当たり前になりつつある現代。女性の社会進出が増え、子育て支援の制度は年々充実してきています。しかし、それでも待機児童などの問題は解消されておらず、お悩みの方も多いはず。そんな中、おすすめの制度が一時保育です。「あくまでも一時でしょ?」と思われるかもしれませんが、非定型的保育などは曜日を指定して預けることもできる優れた制度なんです。育児と仕事の両立を目指して一緒に学んでいきましょう。
一時保育とは?
保護者のパート就労や病気等により、一時的に家庭での保育が困難となる場合や、保護者の育児負担を軽減するために保育所などで児童を預かってくれる制度です。一時保育にも種類があり、「非定型的保育」「緊急保育」「リフレッシュ保育」などがあります。
一時保育利用の理由は?
立命館大学の松岡氏と櫻谷氏による『保育所における一時保育を利用した母親の意識調査』という研究論文(2004年)内では「一時保育をどこで知ったか」「一時保育を利用した理由はなにか」という項目の調査結果が記載されています。
まず、一時保育を知った情報源については、
保育園 | 9人(26.5%) |
友人・知人 | 9人(26.5%) |
福祉事務所等 | 7人(20.6%) |
インターネット | 3人(8.8%) |
保健所 | 2人(5.9%) |
子ども支援センター | 2人(5.9%) |
雑誌・広報誌 | 2人(5.9%) |
その他 | 2人(5.9%) |
でした。
そして利用に至った理由の項目では、
子どものため | 44.1% |
仕事 | 44.1% |
求職活動のため | 20.6% |
買い物や習い事、友達との会合などのため | 14.7% |
保育所入所への待機期間にあるため | 14.7% |
普段面倒をみてくれていた家族の都合がつかなくなったため | 14.7% |
育児の心理的・肉体的負担を解消したい | 11.8% |
親自身の病気・ケガ,検診や治療通院など | 8.8% |
家族や知り合いの看護・介護のため | 8.8% |
家庭における子育てに疲れ、一時的に子育てから開放されたい | 8.8% |
その他 | 21.2% |
※重複回答
という結果が出ています。
保育園やママ友同士の会話、福祉施設などで一時保育の情報を仕入れ、仕事と両立させたり、お母さん自身の時間を作ったりするために一時保育を利用しようと考える傾向にあるようです。
出典:保育所における一時保育を利用した母親の意識調査・立命館大学
目的に応じて選ぶ!一時保育の種類
- 1.非定型的保育(特定保育)
- 2.緊急保育
- 3.リフレッシュ保育
非定型的保育とは、お母さんやお父さんが働いてはいるものの、保育園や幼稚園入園対象とはならない場合に預かってくれる制度のことを指します。保護者のパート就労や職業訓練、就学などの理由で毎日保育することが難しい場合に施設で預かってくれます。地域や自治体によって詳細な条件は異なりますが、基本的に週3日程度預けることが可能となっています。産後の職場復帰により、「いきなり多い時間は働かないけれど、ずっと子どものお世話をするのは難しい…」という両立を目指すお母さんにはピッタリな制度です。
保護者が病気になってしまったり、入院をしてしまったり、冠婚葬祭等の行事などでやむを得なくお子さんの面倒をみることができない場合に一時的に預かってくれる制度が緊急保育です。こちらも詳細な条件は地域や自治体によって異なりますが、1カ月に14回以内であれば申請することができる場合が多くなっています。
いわゆる「育児疲れ」を解消するための制度です。保護者の身体的、精神的負担を解消し、新たな気持ちで育児に向き合うための取り組みです。リフレッシュ保育の場合は、他の一時保育と比較して預かってもらえる日数は1~2回と少ないことが特徴です。
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一時保育の料金は?相場はどのくらい?
一時保育の場合、月単位の料金ではなく利用時間単位での料金となります。地域や自治体によって形態は異なりますが、半日または1日預かりなど種類を選ぶことができます。相場としては1日当たり1,500円~8,000円程度となっています。預ける施設によって金額は大きく異なってきます。別途おやつ代などが含まれることもあります。また、預けるお子さんの年齢も金額に反映してきます。3歳未満の場合は、3歳以上のお子さんよりも料金が高くなる場合があるということは覚えておきましょう。
一時保育を利用したい!申請方法は?
預ける施設によって詳細は異なりますが、基本的にどの施設でも『一時保育利用申請書』という用紙を提出する必要があります。保護者の名前や住所などの基本情報、週何日、何曜日に預けたいか、時間は何時から何時までか、などを記載するようになっています。用紙は各施設や自治体のホームページ(HP)からダウンロードできることもあるので、預けたい施設のHPを一度チェックしてみましょう。
何歳から利用OK?時間はどのくらい?
一時保育は基本的に1歳未満のお子さんから小学校就学前までのお子さんまで、幅広い年齢の利用が可能です。ただし、3歳未満のお子さんの場合は利用料金が比較的高くなるのでその点はよく確認してから利用しましょう。時間は一般的に朝から夕方まで、8時~18時くらいまでが目安の利用時間といえるでしょう。施設によっては土曜や日曜祝日は午前のみという場合もあります。休日に限らず午前だけ利用したい場合には、時間を指定して利用することも可能です。詳細は各地域や自治体にご確認ください。
一時保育に必要な持ち物はある?
施設によって異なりますが、着替えやオムツ、タオルやビニール袋などがあると良いでしょう。アレルギーのあるお子さんの場合にはお弁当を用意する必要があることもあるので、その点は各施設にお問い合わせください。また、念のため保険証をもたせておくと安心です。
預かり保育とファミリーサポートの違いってなに?
子どもを預かってくれる制度は一時保育だけではありません。預かり保育やファミリーサポートといった預かり制度があります。預かり保育は一時保育と似ていますが、保育園や幼稚園に所属していることが前提となります。預かり保育とはいわゆる延長保育のことを指しており、保育園や幼稚園で1日を過ごしたあと、定時に迎えに来ることができないお父さんやお母さんのために2~3時間延長して保育するシステムです。
一方ファミリーサポートとは、保育園や幼稚園などの公的な施設ではなく、その地域に住んでいる、一般のボランティアの方が有償で行っているシステムです。一時保育とは違い、保育士さんや幼稚園教諭の方がお世話をするのではなく、ボランティアの方がお子さんを預かってくれます。ボランティアをしているくださる方の年代は「60歳代」、「50歳代」、「40歳代」の女性が8割以上占めています。
参考:ファミリーサポートネットワークのご案内・一般財団法人 女性労働協会
便利な半面、このような懸念も…
- 一時保育を使うと子どもがかわいそう?
- 毎回預けられるとは限らない
一時保育を利用するということは、それだけお子さんと一緒にいる時間が短くなるということです。保育園や幼稚園に行っている子と比べると預けている時間は短いですが、一時保育の場合は毎回同じ子と一緒になるとは限りません。仲良くなってもその日だけの利用ということもありますし、毎回メンバーは替わります。人見知りをする子にとっては少しつらい時間になってしまう可能性もあるのです。
一時保育のデメリットとして挙げられる問題が、予約が取れないということです。急に「明日預けたい」と思っても、定員に達している場合は一時保育を利用することができません。また申請書を書き、申請がすぐ通るとも限らないのでなるべく時間に余裕をもって、預けたい施設に確認を取るようにしましょう。
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