大企業とこんなに差がある退職金支給額
東京都内にある中小企業の退職金について、ある程度の目安がおわかりいただけたと思います。では、大企業と比べてどれぐらい差があるのか気になるところでしょう。2018年9月、経団連企業会員・東京経営者協会会員企業252社を対象に行われた調査をもとに、中小企業と大企業の比較をしてみましょう。
大企業との差は1000万円以上にも
この調査でも、学校を卒業してすぐに入社し、標準的に昇進した人の退職金モデルを出しています。最終学歴のほか、「管理・事務・技術労働者(いわゆる総合職)」と「生産・現業労働者」の職種による区分もされています。定年まで勤めた場合の退職金(受給形態を問わない)はそれぞれ以下のとおりです
中小企業の調査では職種別の金額が算出されていませんが、ざっと見て中小企業と大企業の間には最大1000万円以上の差があることがわかります。
中途退職した場合の退職一時金についても中小企業と大企業で比較すると、勤続年数が多くなるほど差が出てきます。例えば、大卒・勤続年数十年で自己都合退職した場合、中小企業なら121万5000円、大企業なら307万9000円。勤続年数20年で自己都合退職すると、中小企業373万3000円、大企業809万4000円となります。
定年退職後のライフプランを考える機会に
「中小企業だと、大企業よりもずいぶん少ないな…」と落胆したでしょうか。あるいは「中小企業である程度勤めれば、中途退職しても退職金が出るんだ」と思ったでしょうか。
「ひとつの企業に定年まで勤め、定年退職後は退職金を頼りに生活を送る」という、かつて多くの人が描いていた標準的なライフプランも、今では崩れようとしています。「人生100年時代」がそこまできている今、退職金から逆算して定年退職後も収入を得ようと考えたり、今から財産形成を計画したりして、早いうちから60歳以降の人生と向き合うことが大切です。
おわりに
今回は中小企業の退職金の相場をご紹介しましたが、大企業との差に驚いた人もいるかもしれません。しかし、退職金の受給額が多ければ定年後の生活が安泰というわけでもありません。パートナーやご自身の退職金について知り、今後のライフプランを考えてみてください。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
https://tamagoo.jp/report-news/deposit-questionnaire/
企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。