育休中のリスキリング発言のその後とは?
最後に、育休中のリスキリング発言のその後についてご紹介します。
大家議員と岸田総理のやり取りによって、多くの子育て世代から反発が巻き起こりましたが、その後どのような動きを見せたのか見ていきましょう。
育休中に限らないリスキリング
炎上の原因となった理由の中で、多くの反発があがったのが「なぜ、育休中にスポットを当てているのか?」という部分です。キャリアアップや収入アップを目的としたリスキリングならば、育休中に限らず現場でスキルアップを活かせる機会を増やすべきなのでは?という声が多いのです。
リスキリング自体に対しては、肯定する意見もあるので、育休中に限らない制度の導入が焦点となりそうです。
習得した技術を実践する時間の確保
今後課題となってくるのが、リスキリングによって習得した技術を実践する時間の確保です。
ノルマのある製造業などの現場では、リスキリングを進めるためには実際のロボットや機械を使って実践する時間が足りないという課題があります。製品を作り続けるためには、機械の稼働率を高い水準で維持する必要があり、リスキリングの実践をする時間を確保する事が現状では難しいのです。
このような企業を後押しするために、行政も徐々に動き出しています。
教育係の確保や給与の確保
現場でリスキリングを取り入れるためには、新たな技術を学ぶ人材にスキルを教える教育係が必要になります。教育期間は、数カ月におよぶ可能性が高いため、その間の支援が必要になってきます。
リスキリング中の従業員の穴を埋めるための人材も必要となるため、現状では本格的に導入するのは難しいと考える企業が多いのです。
おわりに
リスキリングでのキャリアアップや収入アップは、少なからず必要な取り組みとして認知されていますが、一方で育休中に学び直しを推進する案には批判が多いのが現状です。
育休に限定せず今後、多くの人が活用できるリスキリング制度が確立されることを願いたいですね。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。