積極的に育児に関わる「イクメン」がもてはやされていますが、「子どもの世話なんて、どうすればいいのかわからない…」と困惑しているプレパパ(妻が出産を控えている男性)も多いのではないでしょうか? そんなパパにおすすめなのが「間接育児」。「家事を分担してママをサポートする事が、間接的に育児に参加している事につながる」という考え方です。今回は、間接育児についてご紹介します。
「間接育児」という新しい育児参加のあり方
「イクメンになるのは難しい」と悩んでいるパパにおすすめなのが、「間接育児」という考え方。「直接、子どものお世話をするのではなく、ママと家事を分担する事でママの負担を減らし、ママがよりよい育児に専念できるようサポートする」という意味で、慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典先生が提唱しています。
イクメン推奨の風潮に尻込みするパパも…
育児休業を取り、積極的に育児に関わる父親「イクメン」は、すっかり定着したように感じられます。厚生労働省では「イクメンプロジェクト」を立ち上げ、国を挙げてイクメンを推奨しています。
しかし、この流れにうまく乗れているパパばかりではありません。パパの中には、「イクメンにならなくては」というプレッシャーから、子どもが生まれる前後に「パタニティブルー」という抗うつ症状が現れる人もいます。会社で仕事をがんばるだけで精いっぱいのパパは、「子育てに関わりなさい」と言われてもどうすればいいのかわからないでしょう。
赤ちゃんのお世話をするだけが育児じゃない
吉村先生が提唱する「間接育児」とは、「パパが子どものお世話を直接できなくても、家事をママと分担する事で、間接的に育児に参加する」事です。「パパとママが家事を分担する事事で、ママは余裕を持って子どものお世話をする事ができ、結果的にパパも育児に参加している事につながっている」というのが、吉村先生の考えです。
家事や育児を一人でこなす「ワンオペ育児」がママを精神的に追い詰め、子どもの虐待にまで至ってしまう事があります。「赤ちゃんのオムツを替えたり、小さな子どもの相手をしたりする方法がわからない」と戸惑うパパは、ママを楽にする事を目標に間接育児に取り組んでみてください。
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できる事から始めて間接育児をON!
「家事を分担する」という事そのものが、ハードルが高いと感じているパパも少なくないのではないでしょうか。一人暮らしの経験がなく、料理や掃除、洗濯をした事がないというパパも、「仕事以外の事はすべてママがやっている」という状況を変える事から始めてみましょう。
「身の回りの事は自分で」からスタート
料理も掃除もできない…そんなパパは、まず「自分の事は自分でする」から始めてみてはいかがでしょうか。「会社に行くためのワイシャツや靴下、小物などを自分で用意する」「食事の後の片づけを自分でする」。今まで家に帰ると何もしてこなかったパパが、自分の事を自分でこなすだけでも、ママは「パパ、やっぱり子どもができて変わったんだな…」と思います。
「子どもができたから、少しでもママの負担を減らそう」というパパの姿勢は、ママの心にゆとりをもたらし、余裕を持って赤ちゃんと向き合う事ができるでしょう。実際、パパ自身も「父親になった」という自覚が生まれるはずです。
少しずつ、自分にできる家事を見つけよう
自分の事を自分でできるようになると(または、もとからできている人は)、家事でママの負担になっている事が見えてくるようになります。食事後の片づけを自分でするようになると当然、ママの食器も片づけるようになり、やがて「皿洗いも自分がすると、ママが楽になる」事に気づくはずです。
特に出産直後のママは、身体を動かす事が負担に感じる時期です。パパがママの代わりに料理を作れなくても、皿洗いをしてくれるだけでママは助かります。また、細かい衣類の分類方法がわからず、洗濯ができないというパパでも、洗濯後の衣類を干したり、畳んだりするだけで、ママの負担はかなり軽くなります。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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