卒婚のメリットとデメリットとは
夫婦の間に、信頼関係が築かれているからこそできる卒婚。自分の人生を楽しみ、相手に迷惑をかけたくないという気持ちで始める卒婚は、とても前向きなものです。では、卒婚をするとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
【メリット1】お互いの魅力を再確認できる
いくら夫婦でも、一緒にいる時間が長くなると、性格や価値観が合わないと感じ、一緒にいたくないと思ってしまう時期もあるものです。相手の悪い面ばかり目につくと、良い面を忘れがちになってしまいますが、卒婚によって夫婦の距離を置くことで、お互いの魅力を再確認できるようになります。また、卒婚中でも一緒に生活していた状態に戻りたいとお互いが思えば、夫婦の関係をすぐに変えることができることもメリットです。これは、婚姻関係を維持している卒婚ならではですね。
【メリット2】面倒な手続きが必要ない
離婚するためには、役所に離婚届を提出したり、慰謝料や財産分与、子どもの親権などを話し合ったりと面倒なことがたくさんあります。一方、卒婚は離婚のような手続きは一切必要なく、お互いが同意し納得していれば、すぐにでもできることがメリットです。また、離婚の場合はその後の生活などを、子どもに頼らなければならなくなってしまうことも増えますが、卒婚なら、子どもへの負担もかからず夫婦関係を維持できます。
【デメリット】経済的な負担がかかる
卒婚をして自分の思い描いていた生活を送るためには、お金が必要です。共働きの夫婦ならそれぞれが生活費を出すことができますが、結婚や出産を機に専業主婦やパート勤務になったという女性も多いことでしょう。卒婚はそれぞれが独立した生活をすることを趣旨としているため、夫から生活費をもらうというのは、その趣旨に反してしまいます。経済的余裕はないけれど卒婚をしたいという場合は、同居しながらお互いに干渉しすぎずに助け合うなど、部分的に卒婚を取り入れるのも良いでしょう。
おわりに
世の中には、一緒にいることで良好な関係を維持できるという夫婦ばかりではなく、卒婚を選択したことで熟年離婚を回避できた夫婦も多くいます。結婚同様、卒婚のスタイルも人それぞれなのです。もし、離婚をお考えの方は、新しい選択肢として卒婚を検討してみるのも良いかもしれませんね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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