夫の年収が低いだけで離婚できるのか?
生活は苦しいのに現状に満足して、転職などをして年収を上げようとする気がない夫に嫌気がさして、「もう顔も見たくない」「とっとと離婚したい」と感じることもあるでしょう。そんなとき、夫の年収が低いからという理由だけで離婚できるのかを、ケース別にお伝えします。
夫にケガや病気があると離婚は難しい?
夫婦で同意して円満離婚できるに越したことはありませんが、夫婦どちらかが離婚を拒否してもめる場合、「不貞」「悪意の遺棄」「夫が強度の精神障害で回復の見込みなし」「結婚生活を続けられない重大な事由」といった理由があれば、法的に離婚はできます。
しかし、夫が一時的にケガをして、働く意欲があるものの働けずに収入が減っている場合は、わざと働かないわけでもなく、回復する見込みがあるので離婚は難しいでしょう。ただ、夫が重篤な精神障害で回復の見込みがないと医師から診断書が出ていると、離婚できる可能性はあります。
給料を使い込んでいるかも:年収を把握しよう
真面目に働いているはずの夫の年収が低いとき、夫が給料を使い込んでいないか確認してみましょう。もしかしたら年収は高いはずなのに、家族の生活費は全然出してくれず家族が困窮している、そんなケースは「悪意の遺棄」で離婚できる可能性があります。
夫の年収を確認する方法はいくつかあり、例えば、勤務先から発行される「源泉徴収票」で年収は分かりますし、同居の妻であれば市役所で夫の所得・課税証明書を取ることができるケースもあります。これで申告されている夫の収入が分かります。
早期離婚が難しい場合:別居を開始する
怠けて働かないわけではない、夫が不倫しているわけでもない、DVがあるわけでもない、モラハラがあるわけでもないけれど、ただ年収が低いだけの夫と離婚する場合は、5年以上別居すると離婚できるケースがあります。
つまり、別居して「結婚生活を続けられない重大な事由」を理由に、法的に離婚するケースです。しかし、基本的に夫の同意がなければ、ただ年収が低いだけの夫とすぐに離婚することは難しいとされています。このようなときは、一度弁護士に相談すると良いでしょう。
おわりに
それぞれの家庭で環境や年収は異なるものですが、夫の年収に不満を持つことで離婚したくなるケースもある、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか?ただ、年収が低いだけで離婚の理由にすることは難しいので、年収以外の問題が特に見つけられない場合は、別居を開始するという選択肢も含めて考えてみると良いかもしれません。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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