発達障害を認めない親に対して何ができる?
発達障害を認めない親は、なかなか子どものことについて客観的になれずに過ごしていることが多いと言えます。
ただ、何かしらのきっかけがあれば、子どもの障害と向き合い、今後の対応を考えようという気持ちになる場合もあることは事実です。その手助けとして、周囲がさりげなくできることについてお伝えします。
発達障害はめずらしくない旨を伝える
同じ保育園や幼稚園に子どもが通っていれば、その保護者とも何かしら触れ合うことがあるでしょう。そのとき話のついでかのように、自分が知っている発達障害の事例や発達障害を持っている子どもは決してめずらしくないことを伝えてみましょう。
しかし、その保護者と親しくもないのに、いきなり障害のことを切り出すのは不自然です。その親と、ある程度の信頼関係を築いたうえで行ってください。
学校の先生など言いやすい人に対応してもらう
発達障害を認めない親は、他の保護者や子どもに対して本心では引け目を感じている場合もあります。
そのため、同じ立場の保護者にそのことを言われてしまうと、余計に反発する可能性があるでしょう。できるのであれば、保育園や幼稚園の先生など指導する立場にある人から対応してもらう方が、素直に受け入れやすくなることが少なくありません。
子育て支援サークルなどに一緒に参加してみる
一方的に、発達障害を認めない親にアドバイスをするだけでは、良い気持ちがしない人もいるでしょう。違和感を持たれないためには、「私も子どもの○○で悩んでいるから、一緒に子育て支援サークルに行ってみない?」などと、共感を示す姿勢で接することが大切です。
障害のあるなしに関わらず、子育てで不安になるのはどの親も一緒ですし、支援サークルなどに参加することも一般的なことですよね。
つまり、共に解決を目指そうという同じ目線からの会話がポイントになります。
おわりに
発達障害と言っても、それぞれの子どもの障害の程度には差があるかと思います。また、トラブルが起きたとしても発達障害を認めない親に対してストレートに忠告すると、より問題が大きくなることも否めません。そのため、今回ご紹介したように、親とも信頼関係を築いたうえで、嫌味のない関わり方を心がけてくださいね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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