発達障害の夫とのコミュニケーション術
発達障害の夫と接するときの心構えはお分かりいただけたでしょうか?何でもそうですが、表面上だけを繕ってもうまくいくことは少ないものです。発達障害についてきちんと理解し、心構えを持っておくことで、夫とのコミュニケーションが、よりスムーズにできるようになることでしょう。
夫には感覚ではなく、理論的に話す
発達障害の夫と会話をするときは、感情を優先しないようにしましょう。発達障害の人は相手の感情を読み取ることが苦手なので、感情的に話されるとどうして良いか分からず、戸惑ってしまうのです。例えば、あなたが夫に直してほしい部分がある場合は、「どうしてそんなことするの!?」と感情的に怒るのではなく、「私はこういうことをされると悲しいから、このようにできないかな?」と提案してみましょう。
頼み事は丸投げせず、具体例を挙げる
あなたが夫に何か頼み事をしたいときもあることでしょう。ですが、発達障害の夫は想像するのが苦手なので、お願いごとを丸投げされると、どうして良いか分からずに困ってしまいます。例えば、「帰りに牛乳を買ってきて」と頼みたい場合は、多少面倒でも、「帰りに駅前の〇〇というスーパーに寄って、△△という商品名の牛乳を買ってきて」と伝えることが大切です。発達障害の人は想像力を使うのは難しいのですが、頼み事が的確であれば、きっちりとそれに答えてくれるのです。
会話のきっかけを作ってあげるのが大切
発達障害の夫は、人と会話をするのが得意ではありません。そのため、どうしても相手が一方的に話すという状況が多くなってしまいがちです。本人が何か言いたいことがあるとしても、ちょうど良いタイミングで話を切り出す、ということが困難なのです。そこで妻は、自分ばかりが話す状況にしないためにも、ときどき「あなたはこれについてどう思う?」と尋ねてみると良いでしょう。相手の意見もしっかりと聞くことで、コミュニケーションは、よりスムーズになります。
おわりに
夫が発達障害だと分かったときには、不安な気持ちになってしまうことも大いにあるでしょう。ですが、あなたの努力と考え方しだいで、夫婦間のコミュニケーションの問題は減らすことができます。いつも夫を思いやる気持ちを忘れずに、生活していくことが大切です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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