「結婚しても、どちらかの親と一緒に暮らしたい」「親に生活のサポートをしてほしい」「親の支援や介護が必要な状況になった」など、さまざまな理由で親と同居する夫婦は多いものです。しかし、いくら親子と言えども、お互いの生活費をどうするのかは大切な問題となるでしょう。ここでは、同居をするなら生活費はどうした方が良いのかについてお伝えします。
同居する際の生活費の考え方について
子どもと親が同居をすれば、経済的にお互いが楽になることもめずらしくありません。ただ、子どもがすべてを負担したり、親が何でもサポートしてあげたりすると、将来的に生活費で行き詰ってしまうこともあるでしょう。それを避けるためには、基本の生活費負担のモデルケースを知っておくと安心です。
子どもが親の家に同居するケースの生活費
親が一軒家やマンションを購入し、そこで生計を立てながら過ごしている自宅に子どもが同居する場合は、子どもが生活費を負担することが多いと言われています。生きていくうえで生活費の大半を占めるのは、家賃ですよね。
しかし、親と同居することで、その家賃の負担から子どもは解放されます。そのお礼や代わりとして生活費を支払うケースが目立っています。
親が子どもの家に同居するケースの生活費
一方、親が子どもの自宅に同居する場合は、上記と逆で親が生活費を支払うこともあります。しかし、親がまだ働いている場合とリタイアしている場合とでは状況が変わってきます。リタイアしている場合であれば、親の収入源は年金だけということも多いので、そんな時は生活費をすべて負担するのではなく、自分の食費のみを支払う人も少なくありません。
子どもと親の経済力によっても生活費の割合が変わる
子どもが親の自宅で住むか、親が子どもの自宅で同居するかによって生活費の負担を決めている場合が基本的になってはいますが、そうではない世帯も多く存在します。子どもは働き盛りである程度の収入があり、親は贅沢できない年金生活というイメージがあるかもしれませんが、子どもがギリギリの収入で、親は貯金も含めた豊かな生活が可能というケースも。
そのため、子どもと親の生活費の割合は、経済的に余裕のある方が多く負担した方が良いでしょう。
合わせて読みたい
同居の際の具体的な生活費の相場を知りたい
子どもと親、どちらの家に住むかによって同居における生活費が変化することが少なくありませんが、実際には何円程度支払えば良いのか気になるところですよね。参考までに、実際の生活費の相場を以下にご紹介します。
子どもが親の家に同居する場合の相場
あくまでも調査から割り出した数字ではありますが、子どもが親の家に同居する場合の生活費の相場は、月に18万円~19万円だと言われています。これは、親2人と子ども夫婦2人の合計4人を基本とした金額です。(総務省 家庭調査報告 2019年.2021年)
しかし、夫婦に子どもがいるかいないか、都心か郊外かなどでも差が出ると思いますので、ひとつの目安にしましょう。
親が子どもの家に同居する場合の相場
親が子どもの家に同居する場合の生活費の相場は、子どものケースと同様に月に18万円~19万円となっています。しかし、実際のところは、親の負担は月にひとりあたり2万円~5万円にしていることもめずらしくないようです。
また、親子でもお金のことで揉めたくないと考えている世帯では、親と子どもの生活費はきっちりと折半にしていたり、今までの親への感謝の思いも込めて、親からは全く生活費をもらっていないというケースもあります。
生活費以外でサポートする場合もある
子どもが親の家に住む場合でもその逆でも、月に18万円~19万円が相場というデータが出てはいますが、同居するにあたっては生活費という金銭のみを支払っていれば解決するというわけでもありません。一緒に仲良く過ごして行くにあたっては、お金以外のサポートも重要です。
例えば、子どもが仕事で忙しければ、親が家事を手伝ったり、親に健康上の問題がある時は、子どもが介助や支援をするということも大切になります。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。