最近では、自ら結婚をせずに「選択的シングルマザー」として生きていく女性がいるのをご存じですか? シングルマザーには、貧困や不幸などのマイナスなイメージが付きまとうこともありますが、自らの意思でシングルマザーになる方がいるほど、幸せやメリットもあるといわれています。
ここでは、あまり世間に知られていない「選択的シングルマザー」について、ご紹介します。
選択的シングルマザーってどんな人のこと?
選択的シングルマザーとは、自分の意志で結婚せずに子どもを出産し、母親になる選択をした女性のことをいいます。未婚で育児をしているカップルは選択的シングルマザーとはいわず、母親だけで育てていく決意をした女性のことが、選択的シングルマザーと定義されているのです。
日本のシングルマザーはどのくらいいるの?
日本では、3組に1組が離婚しているという報告があります。離婚後は、母親が子どもの親権を持つことが多いため、日本におけるシングルマザーの人数は、100万人を超えているのが現状です。ただ、この数の中に選択的シングルマザーがどのぐらいの割合でいるのかまでのデータは、出されていません。また、現代でもなお、シングルマザーに対してよいイメージが完全には定着していないため、世間から誤解や偏見を持たれることも度々あるとされています。
選択的シングルマザーにはどんな苦労がある?
自分の意志で選択的シングルマザーを選んだとしても、デメリットはもちろん存在します。選択的シングルマザーになることによって起こるデメリットとは、どのようなものなのでしょうか?
- 金銭面の負担
- 家事が滞る
- 自分の時間が確保できない
- 父親の存在を確認される
一人で子どもを育てることは、思った以上に簡単なことではありません。また、自分の時間は削られ、家事も思い通りに進まないこともあります。また、金銭面の負担は大きな問題となっており、未婚の場合には受けることができない助成などもあります。日本では、まだまだ選択的シングルマザーが一般化していない点に苦労することも多いのです。
選択的シングルマザーの気を付けたいポイント
上記で、選択的シングルマザーになったときのデメリットを紹介しましたが、時間や金銭面以外でも、以下のように注意すべきことがあります。
- 子どもが愛情不足にならないように育てること
- 子どもの気持ちに寄り添うこと
- 周りの意見に左右されすぎないこと
選択的シングルマザーは、未婚のまま子どもを育てるという決意のもとに生活をすることとなります。その生き方を貫いていくには、子どもへのさまざまな配慮が必要です。また、子どもが成長したときには、母親の考え方について、丁寧に教えることも大切になることでしょう。
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選択的シングルマザーになる幸せやメリットって?
前にお話ししたように、選択的シングルマザーになることには苦労もありますが、たくさんの幸せやメリットもあり、世間のシングルマザーへのイメージとは異なる点も多いものです。選択的シングルマザーは、「結婚するよりも楽」だといわれることがあります。なぜなら、結婚しても家事や育児を全く手伝わず、家庭に貢献しない男性も世の中にはたくさんいる中で、選択的シングルマザーの場合は、そのような心配が必要ないからです。
つまり、結婚してから思った通りの結婚生活を送れなかったと後から悔やむことがなくなるので、自らの意思で「非婚」を選ぶ女性が増えているのが特徴だといえるでしょう。
不幸じゃない?なぜシングルマザーでも良いの?
結婚をするには、現在の収入や家庭の事情、相手の家族構成や自分の家族の意見など、数々の条件を満たす必要があります。しかし、選択的シングルマザーの場合はそのような細かい条件にとらわれることなく、自分の好きな男性の子どもを産むことができ、その子どもと暮らしていくことが可能になります。出産と結婚がセットで考えられている日本ですが、選択的シングルマザーという選択肢が増えることで、世の中の女性の結婚や出産への焦りが和らぐという面もあるのではないでしょうか?
デメリットはメリットに変えることもできる
選択的シングルマザーになることによって、起こるデメリットは確かにあります。しかし、そのデメリットは自分の工夫や考え方次第で、メリットに変えることもできます。選択的シングルマザーになることは大変ではありますが、不幸なことだけではありません。夫の存在や家庭へのかかわり方にとらわれずに、子どもとの時間を大切にし、心に余裕を持つこともできるのです。結婚で起こるデメリットをメリットに変えることができるので、これからの日本でも選択的シングルマザーの存在が、少しずつ認められていくのではないでしょうか?
選択的シングルマザー仲間は意外にも多い
選択的シングルマザーになることを考えている方の中には、「周りから拒絶されてしまうのではないか?」「白い目を向けられるのではないか?」などと気になることも多いかと思います。そのような場合は、選択的シングルマザーとなり生活している方と出会い、経験談やアドバイスを聞く機会を持つようにすることも大切です。
現在は、情報が数多くあふれており、インターネットも普及しています。そのため、ネット上の交流サイトなどで選択的シングルマザーになった方たちとつながることも可能です。彼女たちの生の声を聞くことで、選択的シングルマザーの仲間は案外多いのだと心強くなることでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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