機能不全家族という言葉をご存知でしょうか?このような家族の中で育つと、生きづらさを抱えたまま成長してしまうアダルトチルドレンを生み出すと言われています。
また、他人と良好な関係性を築く中で大きな壁となってしまう場合があり、教育の現場においても注目されている問題です。
この記事では、機能不全家族の特徴について詳しく解説します。
子どもに影響を与える機能不全家族の特徴とは?
まず、子どもの成長過程に大きな影響を与えてしまう機能不全家族の特徴についてお伝えします。
機能不全家族のどのような特徴が、子どもの成長過程に影響を及ぼすのかを見て行きましょう。
家族として機能していない家庭のこと
家族の定義は、各々の家庭によって多少は異なる部分があります。しかし、ここで言う「機能していない」とは、家庭内で身体的・心理的な虐待などが横行しており、子どもが本来必要な愛情を十分に注がれていない状態のことを指します。
また、直接的な虐待だけではなく、ネグレクト(育児放棄)などもこの機能不全に含まれます。
つまり、子どもの成長に必要不可欠な、食事・愛情・安心感などが十分に与えられていない状態を言うのです。
両親の影響が強く子どもを抑圧してしまう
例えば、進学などに関して、子どもの意見ではなく、親や周囲の期待が過剰になり子どもを苦しめてしまう場合があります。
最近では、「毒親」という言葉が知られるようになりましたが、まさにこの特徴に当てはまる状態だと言えるでしょう。
また、過干渉や暴言によって子どもをコントロールしようとするケースも多いです。
親の理想を子どもに押し付けてしまうケースもある
親の理想は、子どもに対しての期待と似ていますが、母親が子どもの前で父親の悪口を言うというような事も含まれます。
子どもにとって両親は絶対的な存在であるにもかかわらず、その悪口を言う事で、子どもの精神面に大きな影響を与えてしまうのです。「父親のようになってはいけない」などの言葉によるコントロールも、機能不全家族の特徴として挙げられます。
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機能不全家族の特徴が子どもに与える影響とは?
次に、機能不全家族の特徴が具体的にどのような影響を子どもに与えてしまうのかをご紹介します。
機能不全家族の特徴は、子どもが本来の姿を表現できなくなるケースが多いと言われています。
親の態度や表情で自分の意見を決めるようになる
本来子どもというのは、親が怒っても自分のやりたい事を最優先にする場合が多いものです。
しかし、機能不全家族の中で育った子どもは、「自分」というものがなくなりがちです。常に親の所有物のような存在になっているため、自分の意思がなく、親の指示がないと動けない子どもになってしまうケースがあります。
自分の欠点にばかり目がいくようになる
機能不全家族の中で育つと、いつも親から「なんで出来ないの?」「もっとこうしなさい」などという言葉を常に言われ続けています。そのため、自分の出来ない部分や欠点にばかり目がいくようになり、出来た事を承認できない子どもになってしまうケースが多いでしょう。
また、他人と比較して、自分が劣っていると感じやすいという特徴も出てきます。
親と共依存関係になってしまうケースも多い
親が常に過保護で、支配・コントロールしようと接してくると、子どもも親の意見に依存するようになり、不健全な共依存関係に陥る危険性があります。
つまり、子どもの自立を阻み、親の言いなりに行動する事が正しいという誤った価値観を植え付けてしまう可能性があるのです。
さらに、親がいないと自分で行動する事が出来なくなる場合も多く、他人と良好な人間関係を築く事が難しくなるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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