中学受験を検討する場合、選択肢は3つあります。私立中学校、公立の中高一貫校、国立中学校です。なかでも、国立の中学校は、保護者の間で根強い人気があります。数が少ない学校ですので、競争率は高く難関ですが、目指すだけの価値は十分です。国立中学校ならではの特徴や、受験する場合のメリットをご紹介します。
国立中学校の特徴
国立中学校は、国が設置する中学校です。大学に附属する中学校として、全国に70校設置されています。(令和2年3月時点)多くは、教育大学の附属校として設置されており、実験的・先導的な教育課題に取り組むことを目的としています。
小中一貫校がほとんど
国立中学校は、小中一貫校であることがほとんどです。そのため、多くの生徒は小学校入学時点で受験し、入学することになります。小学校からの進学者に加え、中学校からの受験入学者を加えた編成になりますので、中学受験で募集する生徒数はそれほど多くありません。募集人数が少ないことから、難関といわれます。同じ大学の附属高等学校が設置されている中学校もありますが、基本的には高校受験が必要となってきます。中学校から高等学校への内部進学を認めている学校は少なく、中学校へ入学できてもそのままエスカレーター方式で進学はできませんので、注意が必要です。
教育実習生を多数受け入れている
国立中学校の設置目的のひとつに、教員養成のための教育実習があります。毎年多くの学生が、長期間の実習のために学校を訪れます。中学校の教員免許取得のためには、3週間の実習が必要です。基本的には5月から6月、場合によっては9月から10月にかけて実習がおこなわれるため、学校によっては、春と秋に2回の実習生受け入れ期間があることになります。実習生は授業の一部を受け持ちます。もちろん指導教員のもとに授業をおこないますが、大学生の授業を受ける期間が多いことは念頭に置いておく必要があります。
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国立中学を受験するメリット
国立中学校に入学しても、そのまま高等学校、大学へと無試験で進学することはできません。それでも、中学受験にあたり、国立中学校を選ぶメリットについて紹介します。各ご家庭の教育方針、経済事情などをかんがみ、子どもにとって最適な環境であるかどうか、判断する材料にしてくださいね。
授業料は無料
国立中学校は公立の中学校と同様、授業料は無料となります。制服や体操服、学用品、一部の教材、修学旅行の費用などは保護者の負担になりますので、まったくお金がかからないわけではありませんが、私立中学校に比べれば、格段に費用が抑えられます。地域の公立中学校で必要な教育費と同程度と考えてよいでしょう。通学に必要な交通費は、保護者の負担になります。
教育熱心な家庭が多い
中学受験を考える家庭の子どもたちが集まるわけですから、そうじて教育熱心な家庭が多い環境です。生活環境が似通った家庭の子どもが集まるためなじみやすく、落ち着いた学習環境が期待できます。通学指定範囲も公立に比べると広域なので、ご近所付き合いがそのまま保護者の付き合いになるようなことはまれです。子どもも保護者も適度な距離感で、学校生活を送れます。
先進的な授業を受けられる
国立中学校の設立目的のひとつに、大学や学部における教育に関する研究への協力があります。そのため、国が取り組む先進的な授業を受けられる環境が整っています。科目横断的な授業や生徒の自主性を尊重したグループ学習、いじめや不登校などの教育課題に対応する生徒指導など、さまざまな取り組みがおこなわれています。研究授業も多く、先生方の取り組みも熱心です。在籍するのは中堅といわれるキャリアの教員の傾向があり、学校全体に活気が感じられます。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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