PTAを脱退した子どもや保護者への影響
PTAを脱退すると余分なしがらみがなくなるため、ほっとする方もいることでしょう。しかし、それ以外の部分で子どもや保護者に大きな問題が発生するケースもあります。
PTAを脱退すると子どもにデメリットが
意外に思うかもしれませんが、PTAを脱退すると保護者よりも子どもの方が影響を受けてしまうことがあります。なぜなら、学校のイベント・活動の多くは、主催がPTAになっているからです。夏休みのラジオ体操がその代表的な例で、PTAに加入していなければ、ラジオ体操に参加できないこともあります。
さらに、PTAに加入していない家の子どもは集団登校に入れてもらえなかったり、PTAの予算で子どもたちのために購入したものを、一人だけもらえなかったりなんてこともあるようです。
PTAを脱退した保護者のマナーも問題に
上記でPTAを脱退した場合の子どもに対するデメリットについて触れていますが、こうしたデメリットを「差別」だと捉えるPTA非加入の保護者がいることも問題になっています。彼らは会費を払っていないわけですから、その恩恵を受けられないのはPTAに参加している人から見れば、当然のことでしょう。
しかし、PTAに参加していない家庭でも、子どもが学校のイベントに参加できないのはおかしいという保護者もいるのです。このように、PTAに参加していない保護者のマナーが、トラブルの元を担ってしまう場合もあります。
PTAに参加していない子どもの扱い方とは
教育委員会や学校では、PTAに参加していない家庭の子どもも、他の子どもと同じように扱うべきだということになっています。そのため、上記のようなトラブルがPTA集会などで持ち上がっても、非会員家庭の子どもも同じように取り扱うべきだということで、問題が収束しています。
なぜなら、PTAはその学校に通う子ども全員のために活動するべき団体だからです。しかし、PTA会費を払っていたり、熱心に活動に参加していたりする人からすると不公平感があるのは当然のこと。PTAを脱退するなら、この辺りの問題についても認識が必要です。
おわりに
PTAの活動に疑問を持っていたり、生活のためにPTAに参加できなかったりする方も、PTAに参加しないときのデメリットを知っておけば、トラブルがあったときにきちんと対処できるはずです。
しかし、子どもの友人関係や保護者間の関係を考えるなら、入会しておくというのも一つの選択ではないでしょうか。
PTAの入退会はメリットとデメリットを正しく知り、じっくりと考えてから決断することをおすすめします。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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