運動会の時間短縮。お弁当なし、午前中だけの運動会が増えている

時短運動会
運動会を午前中で終了する、「短縮運動会」が増えています。共働き世帯が増え、学校の学習要領の改正、運動会開始時期の気候の変化など、さまざまな要素に対応するために取られた対策といえるでしょう。運動会が短くなることに「寂しい」といった声もありますが、保護者からは賛成の声も多く聞こえています。時短運動会の背景とメリットを、具体的に解説していきます。

小学校の運動会、午前中終了が広がる理由

運動会の競技
小学校の運動会が午前中で終了するのには、家族の生活スタイルの変化・気候の変化・学習要領の変化があります。時代とともに変化する流れに、運動会でも対応していくことが求められた結果といえるでしょう。

共働き家庭への負担軽減

共働き家庭が増え、運動会を始めとした学校行事が負担になる場合があります。特に運動会は、事前の場所取りや家族全員のお弁当作りなど、親の協力が不可欠なイベントです。前日まで仕事で忙しく、運動会当日は早起きして観覧席の場所取りに並び、お弁当作りに終われる。今まで当然と思われていたことでも、体力的な負担を感じることがあるのではないでしょうか。運動会を午前中で終了することで、少なくともお弁当を作る負担を減らすことができるので、忙しい朝に余裕を持てますよね。

熱中症への配慮

運動会は、5月と10月に開催する学校が多くなっています。過ごしやすい気候と想像されますが、熱中症の危険があるので要注意です。本格的な夏が始まっていない5月・残暑も去りつつある10月、しかしこの時期の日差しはまだ強いこともあり、競技をする生徒だけではなく観覧する保護者、監督する教職員も危険です。1番暑い12時以降の競技を取りやめ、午前中で運動会を終わらせることが熱中症への対策の一つとなっています。

学習指導要領の改正で運動会の練習時間が確保できない

2020年、学習指導要領の改正で小学校3年生からは英語が必修になる予定です。また国民の休日が増えていることもあり、小学校では授業時間の確保が課題となっています。カレンダーによってはGWなどの大型連休直後に運動会が予定される場合があり、運動会の練習に時間を割けないといった問題が出てきました。運動会を午前中で終了することで、競技が厳選され、練習する時間を削減することが可能に。空いた時間を他の授業に充てられるメリットにつながり、先生の負担軽減になります。

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運動会を午前中で終わりに対する保護者の声

運動会のお昼
午前中で運動会を終了することに、実際の保護者はどう思っているのでしょうか?残念だという意見がある一方、午前中で終わることに対して歓迎する声も上がっています。具体的な意見を紹介していきましょう。

運動会は親も大変!午前中で終了への賛成多数

運動会では、当日の早朝に並んで場所取りをしたり大人数のお弁当を作ったりと、保護者の協力が不可欠です。お父さん・お母さん2人体制でも大変なのに、がんばっても観覧席で良い場所が取れるとは限りません。働きかたが多様化する中、土日出勤の仕事は珍しくないですし、一人親家庭での子育ても少なくありません。大人一人で運動会の準備をするのは、手が足りないですよね。しかし午前中で運動会が終了すれば、少なくともお弁当作りはなくなり負担が減ります。

生徒が多い学校では一緒にお弁当を食べられない?

少子化が進んでいますが、子育て世代が住みやすい地域では、児童数が増えすぎている学校があります。児童数が多い学校では、保護者の観覧席が確保できない場合があり、シート禁止・立ち見の小学校も!お弁当の時間は教室が解放され児童は室内で食べ、保護者は一時帰宅して午後に再度行かなければならないケースも確認されています。午後の出番がない生徒もいるので、保護者から「運動会を午前中のみ開催にすれば2度行かずに済む」との意見が出ています。

運動会は家族の一大イベント、短縮が寂しいとの声も

わが子の運動会を家族全員で応援する、家族イベントの一つですよね。楽しみにしていた保護者にとっては、運動会が午前中で終わってしまい残念との意見が上がっています。しかし家庭や家族の多様化、共働き家庭の増加により、運動会のあり方も見直す時期といえるでしょう。すべての保護者に納得してもらうのは難しいことですが、学校側としてはさまざまな意見を取り入れながら、運動会の実施方法を模索しています。

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午前中で終了する運動会、短くする対策

運動会の閉会式
実際に運動会を午前中で終わらせている学校は、どのように短くしているのでしょうか?具体的な対策をご紹介します。

運動会の開始時間を早める

運動会が実施されるのは5月や10月が多数、真夏ではありませんが、日によっては暑さが辛いことが予想されます。運動会の開始時間を早めることで、早朝の過ごしやすい時間から行動することができ、暑さがピークになる昼前に終わらせることができるので一石二鳥。早起きが辛い人もいるかもしれませんが、熱中症対策として有効です。

競技以外の行進カットやけがにつながる競技をやめる

運動会の最初といえば、全校生徒の行進。風物詩ですが、時間短縮のために思い切ってカットした学校があります。競技ではない部分は削っていく方法です。取りやめる競技では、棒倒しや組体操が上げられます。けがのリスクが高い競技を取りやめたことで、保護者だけでなく教員の心配も減らすことができますよね。時代にあった競技の取捨選択、カットできる部分はなくすことで、負担を減らすことが可能です。

おわりに

共働き家庭の増加などによる生活の多様化、英語やプログラミングなどが必修となる学習要領の改正、夏が長く暑い日が増え熱中症のリスク上昇、保護者と教員の負担はとても重いですよね。さまざまな理由から、運動会の短縮が広まりつつあります。お弁当作りや場所取りの手間が減らせるので、保護者からはおおむね賛成の声が上がっています。逆に楽しみにしている生徒が残念に思っているのも事実。運動会は子ども同士が一つのことに向かって協力しあい成果を得られる行事です。時代にあった運動会の模索が、今後の課題といえるでしょう。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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