以前は、小学校への行き帰りは、徒歩による場合が一般的でした。しかし、現在では校区関係なく通える小学校もありますし、私立の小学校を選ぶ場合も少なくありません。その際は自宅からの距離が遠くなることも多いので、親が送り迎えをするケースも増えています。また、子どもを狙った犯罪のことを考えて、子どもを送り迎えする親も存在します。
今回は、小学校まで子どもを送り迎えすることに対するメリットとデメリットについて解説します。
子どもを小学校へ送り迎えをする理由とは?
親が子どもを送り迎えするのには、理由があります。同じ小学校の子どもを持つ家庭でも、彼らを取り巻く環境や状況にそれぞれ違いがあるのは、めずらしいことではないからです。
自宅から小学校までの距離が遠いから
小学校は、自宅の近くにあるとは限りません。中には片道30分以上歩く必要がある場合も多いですし、公共交通機関を使わなければ通えないほどに遠いこともあるでしょう。そうなると、行き帰りだけで大幅な時間を費やしてしまうため、親が車などで送り向かえをするケースが存在します。
交通量などが多く、子どもも不安がっている
小学校は、住宅地の中や閑静な場所に建っているイメージがありますが、都市圏の中にあったり、交通量が多い道が通学路となっていたりなど、子どもにとって不安要素が多い位置にある場合も否めません。
特に、小学校低学年の間は人や車などが多い環境に慣れていないため、行き帰りの時間が子どものストレスになることもあるでしょう。こういうケースの送り迎えは、子どもの不安を軽減させる以外に、親の心配も取り除くことが可能です。
犯罪や事故から子どもを守るため
子どもを狙った誘拐や暴行などの犯罪や思いがけない交通事故などは、たいてい親の目の届かないところで起こるものです。
1人で行き帰りをさせていたがゆえに犯罪に巻き込まれる可能性や、車などと接触事故を起こして、大ケガを負うこともあり得ます。そのため、親が送り迎えをすることで、限りなくこのような問題を防ぐことができます。
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小学校へ送り迎えするメリットとは?
小学校まで送り迎えをする理由はさまざまですが、送り迎え自体には子どもだけではなく、親にとっても変えられない大きなメリットがあります。
そのいくつかを、以下にご紹介します。
行き帰りの体力消耗を防ぐことができる
小学校までの距離が遠いと、子どもはそれだけで心身ともに疲れてしまいます。そのうえ、学校での勉強や友達と遊ぶことなどにも体力を消耗し、子どもの生活自体に支障が出る可能性があるでしょう。
子どもの本来の目的は、勉強や遊びですから、それさえも満足にできなくなるのでは本末転倒ですし、親もその様子を見ると不安になりますよね。そういう意味で送り迎えは、子どもの体力温存に役立ちます。
子どもとのコミュニケーションの機会にもなる
最近は、夫婦共働きが多くなり、子どもとの会話がままならない家庭もあります。子どもとの会話が少なくなると、親が子どもの変化に気づかないことも出てきますし、子どもも親に伝えたいことがあっても時間がないと、つい言いそびれることもあるでしょう。このような行き違いは、送り迎えの時間があると、埋めてくれやすくなります。
送り迎えの時間は、親と子どもだけの空間になりますので、必然的にコミュニケーションを取る機会が得られるのです。
子どもに目が届くので安心感が得られる
送り迎え中は、親が子どものそばにいますので、犯罪者が近寄りにくいというメリットがあります。
また、たとえ事故に巻きこまれても、親が一緒にいるため、冷静な対処をすることもできるでしょう。子ども1人ではまぬがれなかった問題でも親の目が届くことで、大事に至らなかったというケースは大いにあり得ると言えます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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