小学生のなりたい職業にランクイン「eスポーツ選手」とはどんな職業?

eスポーツの選手
「ゲームなんて……」というセリフは、今や古い話。格闘ゲームやシューティングゲームなどにスポーツ性を持たせた「eスポーツ」の市場は、今や世界で1,000億円を超えています。
小学生がなりたい職業にもランクインするなど、子どもたちの間でゲームは単なる遊びではなく「食べていく手段」として意識されつつあるといえます。ここでは、プロのeスポーツ選手についてご紹介します。

eスポーツ選手が小学生のなりたい職業に

ゲームをする
男子小学生の「なりたい職業」として、いつも上位に入っているスポーツ選手。その内訳に、野球やサッカーなどと並んで、eスポーツ選手がランクインしています。親世代には馴染みのないeスポーツ・eスポーツ選手とは、どんなものなのでしょうか。

「なりたいスポーツ選手」にeスポーツ登場

「eスポーツ」とは「Electronic Sports(エレクトロニック・スポーツ)」の略で、「プレイステーション」「ニンテンドースイッチ」、パソコンなどのゲーム対戦をスポーツ競技としてとらえたものです。
1990年代にゲームの競技化が進み、eスポーツという言葉が使われるようになったのは2000年代に入ってから。現在、海外では高額の賞金を得られる大会が数多く開かれ、大きなものでは1万人規模の観客を集めています。また大会の賞金を得たり、企業とスポンサー契約を結んだりして生計を立てるプロのeスポーツ選手も登場し、海外ではあこがれの職業として定着しています。

株式会社クラレが、2020年春に小学校を卒業した子どもを対象に「将来就きたい職業」のアンケート調査を実施したところ、男の子(478人)の第1位はスポーツ選手でした。

将来就きたい職業

スポーツ選手の内訳を見ると、野球(35.0%)、サッカー(33.8%)、バスケットボール(7.5%)に続き、eスポーツ(5.0%)がランクイン。eスポーツは2019年に行われた同調査で初めてランクインし、ポイントも昨年の4.3%から0.7%アップしました。

競技の内訳

親世代はeスポーツ選手にとまどい

一方親世代は、eスポーツ選手という職業に対して、あまりよいイメージは持っていないようです。

2020年、株式会社エアトリが20代以上の男女784人を対象に、eスポーツに関する調査を実施しました。18歳未満の子どもがいる人132人に「自身の子どもがeスポーツ選手になりたいと言ったらどう思うか」尋ねたところ、「とてもうれしい」1.5%、「ややうれしい」3.8%、「やや嫌だ」18.9%、「とても嫌だ」25.8%、「どちらでもない」50.0%という結果になりました。

親の意見

「どちらでもない」と答えた理由として「職業として成り立つなら構わないが、将来性を考えるとどうかとも思う」「応援してあげたいが、世間の目が気になる」「プロ化には理解できないものがあるが、新しい時代のものに対して大人の価値観を押し付けてはいけない」といった意見が挙がっており、子どもの夢を応援してあげたいと思いつつ、とまどっている様子がわかります。

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世界的に注目を浴びるeスポーツ選手

eスポーツの賞金
eスポーツビジネスは世界規模で拡大を続けています。日本でも全国大会が開催されるようになっています。将来オリンピック種目に採用されれば、eスポーツ選手の認知度と活躍の場も向上するでしょう。

世界の市場規模1165億円 賞金7億円の大会も

eスポーツの世界全体の市場規模は年々拡大しています。オランダの調査会社「Newzoo」によると、2018年は7億7,640万ドル、2019年は9億5,750万ドルに達し、2020年には10億593万ドル(約1165億円)まで拡大すると予測されているのです。

eスポーツはゲームの種類によって、いくつかの「種目」に分かれています。種目の例として以下のようなものがあります。

種目 内容
シューティング
ゲーム
FPS(一人称視点)とTPS(第三者視点)がある。
チーム戦で敵を殲滅したり、陣取りをしたりする。「Call of Duty」など
MOBA チーム戦で相手陣地の制圧を目指すゲーム。
「League of Legends」「Dota2」など
RTS 指揮官になって戦術を競い合うゲーム。「Star Craft2」など
格闘ゲーム キャラクターを操作して格闘するゲーム。
「ストリートファイター」など
リアルスポーツ サッカーゲームの「ウイニングイレブン」や野球ゲームの
「実況パワフルプロ野球」など実際のスポーツをゲームにしたもの
パズルゲーム 「テトリス」「ぷよぷよ」など
DCG デジタルカードゲーム。スマホからでもプレイできる。
「Hearth Stone」「Shadow verse」など

こうしたゲームの大会が国内外で開かれていますが、世界でもっとも人気を集めているのがMOBAとよばれるジャンル。このジャンルのゲームである「League of Legends」は世界で約9,000万人がプレイしているといわれ、2018年に開催された世界大会の優勝賞金はなんと約7億2,000万円でした。

オリンピック競技になる可能性もあり

さらに将来的には、オリンピックの新種目に採用される可能性もあります。2018年にインドネシアで開催されたアジア競技大会では、デモンストレーション種目としてeスポーツが登場。2022年、中国で次回の大会が開催される際には、正式種目として採用されることが決まっています。

日本でも、2019年から国民体育大会(国体)の文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が始まりました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で国体の開催が延期されることになりましたが、選手権はオンラインでの開催が決定しています。この選手権でプレイされるゲームは、「ウイニングイレブン」「パワフルプロ野球」「ぷよぷよ」など5競技です。

eスポーツをスポーツのひとつのカテゴリーとして加える動きは、世界的に進んでいます。しかしオリンピック委員会は、「暴力的」なゲームをオリンピック種目に加えることに難色を示しているといわれ、これはeスポーツの中でも人気が高い、シューティングやMOBAなどを指していると思われます。現状でオリンピック競技に加入できるのは、リアルスポーツなどのジャンルに限られるかもしれません。

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