保育園の定員割れに対するこれからの課題
保育の現場では定員割れの拡大を受けて、その原因などの問題点が徐々に表面化してきています。
その上で、今後の課題としてどのような事が考えられているのかについて見ていきましょう。
認可保育園への入園対象の拡大
認可保育園では、定員が「健常児の定員」である場合が多く、空きがあるにも関わらず障害を理由に入園を断られてしまうケースもあります。このような現状が、定員割れにさらに拍車をかけてしまっていると言えるでしょう。
必要な人に届く保育支援を実現させるためには、障害児を受け入れる体制をもっと整えるべきだという考えも挙げられています。
保育士の配置などの保育制度の見直し
地域によって多少異なりますが、保育の現場では保育士の配置人数が決められています。
この配置人数は、実際に入園している児童の数ではなく、定員に対して数を合わせると決められているケースがあり、もし実際に入園している児童の数よりも定員の方が多い場合、必要以上の保育士が配置される事になります。
こうなると、そこにかかる人件費も多くなり、結果的に経営が厳しくなるのです。そのため、根本的な保育制度の見直しも視野に入れる必要があるでしょう。
コロナ禍で見直されつつある保育の現場
保育園の定員割れは、コロナ禍以前から徐々に問題視されてはいました。
しかし、新型コロナウイルスの影響が強くなるにつれて、保育園の定員割れの問題も大きくなってしまっています。子ども達にとって安心できる保育現場を維持したいと思いながらも、運営が厳しくて泣く泣く閉園をする保育園もあります。
このような事態を受けて現場や保護者からは、時代に合った根本的な保育の見直しを期待する声が出ているのです。
おわりに
保育園は定員割れによって、求める保護者がいるにも関わらず閉園を余儀なくされる現状もあります。今後、この動きを止めるためには、時代の流れに合った制度の見直しが必要になってくると言えるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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