少人数学級編成に柔軟に対応し始めた現代では、首都圏を中心に少人数クラスを取り入れる小学校も多くなりました。それに伴い、少人数クラスと多人数クラスどちらの小学校を選択するか迷う保護者の方もいるようですね。そこで今回は、児童数とクラス数の規定の説明や、少人数クラス・多人数クラスそれぞれのメリットやデメリットについても併せてご紹介します。
文部科学省が定めた学級編成の標準
文部科学省が施行した「小学校設置基準」では、1学級の児童数は特別な事情がある場合や教育上に支障をきたすことがある場合を除いて、40人以下の設定が設けられています。同学年の児童で編成を行うのが通常ですが、特別な事情がある場合は数学年の児童を1学級に編成することもできるのです。
学校種 | 学級編制基準 |
小学校 | 40人(上限) |
中学校 | 40人(上限) |
高校 | 40人(標準) |
※文部科学相・財務相は現在は40人(小学1年は35人)と定められている公立小学校の学級人数を、2025年度までに段階的に全学年で35人に引き下げることで合意した。
学級編成の仕組み 編成の仕方って?
学級編成にある標準は、1学級の人数の”上限”を示したものです。学年ごとの児童生徒数をこの上限で割り算をし、1未満の端数を切り上げて得た数がその学年の学級数になります。例えると、学年35人であれば1学級、65人であれば32人と33人の2学級が出来上がるということです。ただし、人数が著しく少ない場合は数学年を一つにまとめます。
個々の学校事情に応じた柔軟な運用
学級編成は通常、都道府県が定めた基準日に基づいて行われますが、個々の学校の事情に応じ、市町村別の教職員定数の範囲内なら学級編成を柔軟に運用することが可能です。例としては、3学級あったにもかかわらず一人が転校することによって2学級になるところを教育的配慮で3学級を維持する場合や、本来2学級であった新1年生を3学級の2年生に合わせて3学級とする場合などが挙げられます。
学級編成の弾力化を図って少人数学級編成を可能に
平成16年度から、義務教育費国庫負担制度の改革に伴い各都道府県にある教育委員会の判断で「少人数学級編成」を行う場合は、一定の条件を満たすことで教職員定数の活用を可能としました。これによって42道府県は小学校の低学年を中心に少人数学級を実施し、さらに平成18年には46道府県で実施されるようになったのです。
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少人数でクラス数の多い学級編成
少人数の学級編成を設けている学校では、学力の定着や向上を図ったり、いじめなどによる不登校の改善に取り組んだりするなどの対応も多く見られますが、実際にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下にまとめてみました。
学級内で先生の指導が行いやすい
少人数ということは、通常の学級編成をしたクラスに比べると先生の目が児童一人ひとりに行き届きやすくなるため、きめ細かな指導を行いやすくなるのです。また、授業においていかれることもなく、多人数のクラスよりも手を挙げて回答・質問がしやすいといったメリットもあり、親身にサポートしてくれる先生が多いのも特徴です。
仲間意識を強く持つことができる
1クラスの人数が通常より少ないため、共に努力し合い、よりよいクラスを目指すなどといったときにも強い団結力を発揮することができるでしょう。また、お互いの情報や状況なども把握しやすいことから、仲間意識を持つこともできます。そうなると自然と協力し合い、運動会や合唱祭などで完成度の高い出し物を披露することができるのです。
競争心がなかなか芽生えないことも
協力し合う、努力し合うなどといった団結力を強く持つことはできるものの、反対に競争心が育ちにくいといったこともあります。また、クラス内でグループ学習などを行って発表会をしても、大人数のクラスに比べると多様な考え方に触れる機会も少なくなるなど、一見学習のしやすい環境にあると思える少人数クラスもメリットだけではないのです。
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1歳の息子がいるシングルマザーです。最近は息子とのお菓子作りにはまっています。
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