タブレット学習にはデメリットも
もちろん、タブレット学習にはデメリットもあります。保護者にとってのデメリットとして、タブレットを購入する初期費用(通信教育サービスによっては無料の場合もある)が挙げられますが、学習する上でのデメリットもあります。
学習以外のことに使ってしまう可能性
市販のタブレット、特に親のタブレットを子どもに貸して学習する場合は注意が必要です。インターネットを閲覧したり、ゲームのアプリを立ち上げたりして、学習と関係ないことでタブレットを使う可能性があるからです。できれば、学習で使うタブレットを専用で与えた方がよいでしょう。シンプルな機能のものなら、買いやすい価格で手に入れることができます。インターネットへの閲覧制限をかけ、学習のために使うようにしましょう。
子どもが勉強に集中できるという点では、通信教育サービスが提供する専用タブレットには、きめ細かい配慮がなされています。すでに述べたようにネット閲覧に制限がかけられていたり、学習のごほうびとしてプレイできるゲームもカリキュラムのひとつとして組み込まれていたりと、本来の利用目的を逸脱するおそれがありません。
タブレット単体では定着させるのが難しい
もうひとつのデメリットは、紙と比較したタブレットの弱点です。タブレットで表示されるデジタル情報は、ものごと全体を把握する点では紙よりもすぐれていますが、細部を理解したり覚えたりする点では紙よりも劣っているという、アメリカの研究者による研究結果もあるそうです。タブレットに表示される情報は、ディスプレーの後ろから当てられる光を通して目に直接入るのに対し、紙に書かれている情報は太陽光が紙に当たった反射光によって目に入ります。この違いが脳の働きと関係するというのです。
学習内容の全体像や概要を把握・理解するときはタブレット、ものごとを覚えるときには紙に手書きで書いたり、紙の教材を使ったりするといった具合に、併用することをおすすめします。
おわりに
今回は、タブレットのメリットとデメリットについて紹介しました。タブレットは、多様な方法で学習内容を子どもにわかりやすく伝え、勉強に対するハードルを下げてくれます。その一方で、タブレット単体では理解の次のステップである「定着」が難しいという弱点もあります。また、インターネット閲覧やゲームといった誘惑も注意すべき点です。弱点をうまく補い、タブレットでの学習を活用してください。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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