2学期制は定着する?先生・保護者の本音
2学期制を採用する学校の数は全国的にみれば、ほぼ横ばいです。しかし、ここ数年は2学期制から3学期制に戻すケースも相次いでいます。2013年には群馬県高崎市と香川県高松市、2014年には石川県金沢市と岡山県倉敷市が2学期制から3学期制に戻したと報告されています。
先生や保護者は2学期制をどう思っているの?
3学期制に戻す学校が相次ぐ背景には、現場職員の声や、保護者の声があるといわれています。こちらでは東京都中野区の子ども文教委員会が2017年10月に発表した全国調査を基に、学校の先生が2学期制をどう考えているのかみていきましょう。
小学校の先生には好評・中学校では不評?
「2学期制のよさを感じますか」という質問に対し、小学校では43%の先生が「(よさを)感じる」、28%が「やや感じる」としています。一方、中学校で「感じる」と答えたのはたった5%!「やや感じる」の回答も20%にとどまり、両者のギャップが目立ちます。
小学校では勉強も課外学習も充実したとの声
「学習にじっくりと取り組めるようになった」の質問に対して、「思う」・「そう思う」と回答した率は合計83%。さらに、「体験活動ができるようになった」に対しては同回答が合計58%の結果です。
中学校では学力アップにつながっていない?
2学期制により「学力が向上した」かどうかについて、向上したと思う、と回答した中学校の先生はわずか8%。
〘つまり、小学校では2学期制を好意的にみている先生が多く、勉強が本格化する中学校では、シビアにみている先生が多い〙ようです。
保護者は2学期制をどう思っているの?
一方、保護者の目線では、2学期制はどううつっているのでしょうか?
2学期制を指示する保護者は約2割!
2学期制のよさを「感じる」あるいは「やや感じる」と答えた保護者は、小学校で26%、中学では23%でした。小学校の先生は71%との結果でしたが…温度差を感じますね。
あらゆる点で保護者からは不評!
学習・課外活動・長期休みの過ごし方…2学期制のメリットを問う11個の設問に対し、「思う」と答えた率は軒並み10%以下!これは小中学校に共通しています。特に「個別学習などに取り組む時間が増えた」という設問では小中学校どちらも3%の結果。
メリットよりデメリットを感じる保護者の方が多いようです。
おわりに
現代では決して珍しくない2学期制。パパ・ママ世代にとっては自分の時代とのギャップを感じる制度かもしれませんが、さまざまなメリットがあるといわれています。大切な子どもを預ける学校のことだけに、シビアにみてしまうかもしれませんが、いい側面にも目を向けたいものですね。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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