学童は課題が多い。継続審査で落ちた人もいる
学童保育の審査に一度通過すると、永久的に利用ができるわけではありません。年度が変わる時に再度「継続審査」が行われ、その際に落ちたという人もたくさんいます。今、学童が抱えている課題についてお伝えします。
なぜ継続審査で落ちてしまうのか
基本的に一度審査が通れば、次年度も同様に学童保育を利用できると思っている人がほとんどですが、継続審査で落ちたという人は意外に多くいます。理由としては、親の仕事が変わった、子どもが習い事を始めたなど、何かしらの家庭環境の変化によって審査結果がNGになることもあるのです。
学童待機児童問題が深刻になっている
保育園の待機児童問題は多く取り上げられているので知っている人も多いですが、学童にも同様の問題が起きています。定員が決まっている中、共働き家庭や母子・父子家庭が増えているため、需要は年々増えているのです。実際に待機児童の数は2020年で15,995人と非常に多くの子どもが、学童に入ることができずにいます。学童施設も増え続けてはいるのですが、利用したい人も増えているため、なかなか待機児童が減少していないのが現状です。学童を利用できないから仕事が難しいと感じている親もたくさんおり、大きな問題になっていると言えます。
対象年齢の幅が広がり人員不足も起きている
以前なら学童保育に登録できる対象は小学校1年生から小学校3年生まででしたが、2015年からは小学校6年生まで利用ができるようになったため、利用者がより増えています。その分、子どもたちの面倒をみる広い場所と人員が必要になってきており、その点でも難しさを感じている自治体が多いようです。また放課後児童支援員という資格が2015年に誕生し、40人の児童に対して2名以上の指導員、うち1名は有資格者であることが義務化されたので、有資格者の人員を確保することも困難になっています。
おわりに
働く親にとっては欠かせない施設である学童ですが、現状は「審査で落ちた」という声も多く、狭き門になってきていることも事実です。もし学童の審査に落ちたときは、他の対処法を利用できないか、まずは検討してみましょう。また次年度に再度応募するという方法もあるので、それまでの期間は家族と協力しながら乗り切ることも大切です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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