病院で赤ちゃんを産み、同じような産後のママたちと4人部屋で過ごしていた時のこと。一人の赤ちゃんが泣きだすと、つられて全員泣き出して大変だった、なんて話を聞いたことがありませんか?ほほえましいエピソードですが、ふと気になるのは「産まれたばかりの赤ちゃんって、そんなに音が聞こえるものなのかな?」ということ。そこで今回は、赤ちゃんの聴力について調べてみました。
音の聞こえる仕組み、耳の構造を知ろう!
人が音を感知して、それを正しく認識するためには耳の機能が成熟することが必要です。赤ちゃんが、いつから音を認識しているかということも、この耳の構造と、それらの器官がいつ頃完成するのかを知ることで理解することができます。耳ときこえの構造について知っておきましょう。
音を集め、振動として感知する!外耳と中耳
外耳はいわゆる集音器の役割を果たしている器官です。耳介と外耳道からできていて、耳介で音を集めています。そして外耳の奥にあるのが中耳とよばれる部位で、外耳道により保護されています。中耳は鼓膜と、鼓室という小さな空洞からできていて、耳介で集められた音は振動となりこの鼓膜に伝わっていくのです。鼓室からは耳管という管がでていて、その先は喉の方へとつながっています。
音を聴くもとの器官となる「内耳」
中耳のさらにその奥には内耳があります。ここは音を聞くもとになる部位で、前庭器と蝸牛にわけられます。前庭器は平衡感覚を担い、蝸牛が聴覚の役割を担っています。蝸牛の基底膜と呼ばれる場所には多くの線維があり、鼓膜からこの基底膜へと伝わった振動・刺激が線維から有毛細胞へと連絡し、蝸牛神経を通って聴覚中枢に伝えられることで音を感知することができるのです。私たちは普段なんの気なしに音を聞いていますが、このような複雑な仕組みでさまざまな音を認識し、理解しているのですね。
赤ちゃんの耳は、いつ頃完成するの?
音を聞くために必要な耳の器官や仕組みがわかりました。では、赤ちゃんの耳の器官はいつ頃できているのでしょうか?胎児において内耳のもとになるものは、妊娠4週頃にでき始めます。そして、なんと妊娠16~20週頃には形態的には完成しています。実際に聞こえるようになってくるのはもう少し後ですが、耳はおなかの中で比較的早い時期に完成しているのです。
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赤ちゃんはおなかの中でいろんな音を聞いている
赤ちゃんの耳が、すでにママのおなかの中にいるときに完成して、いろんな音を聞いていることがわかりました。おなかの赤ちゃんに、音楽を聴かせたり話しかけたりする胎教の効果が実感できるお話ですね。そうしてときが満ち生まれた赤ちゃんの聴力が、どのように成長・発達していくのか、月齢別に調べてみました。
聞こえ始めるのは妊娠28週頃から
妊娠16~20週頃に耳の形態としては完成し、その後28週頃から赤ちゃんは実際に音が聞こえています。ママの心臓の音や、おなかがぐるぐるいう音、優しく話しかけてくれる声や音楽など・・・おなかの中でいろんな音を聞いて過ごしているのです。産まれてすぐ、まだ目も見えない頃にママの声に反応するのも、おなかの中でずっと聞いていたからなのですね。
生後3カ月頃からは声の違いもわかるように
生後3カ月頃になると、聞きなれた声の区別がしっかりついてきます。それに伴い、あやすと笑ったり、泣いているときにママやパパが声をかけると泣き止んだりするようになります。また音のした方向を向いたり、大きな音で目を覚ましたりするようにもなり、かなり音に対しての反応がしっかりしてきます。話しかけるとアーとかウーなどの声も発するようになってくるのもこの頃です。
生後6カ月~10カ月には音の意味を理解する
生後6カ月頃になるとさらに聴力は発達し、音がでるおもちゃで楽しく遊んだり、「キャッキャッ」と声を出して笑ったり喜んだりするようになります。また人に向かって声を発するようになってきて、コミュニケーションの芽がでてきているのが感じられるでしょう。さらに9~10カ月頃には名前を呼ぶと振り向くようになり、怒ったり叱ったりする声色や「ダメ!」といった言葉の意味も理解し始めるのです。音を聞き分ける力と、音の意味の理解がすすむにつれ喃語(なんご)も増えてきます。
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