自己肯定力は、その人らしい生き方をしていくために必要なもので、自己肯定力が高ければ高いほど生きやすくなるとも言われています。そこで注目されているのが、「褒められ体験」です。
特に子どもは褒められ体験をする事で、自己肯定力が上がり、その人らしい生き方が出来るようになると期待されています。
この記事では、褒められ体験がどのような自己肯定力アップに繋がるのかについて解説します。
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褒められ体験と自己肯定感アップの関係性
それでは早速、褒められ体験と自己肯定力アップの関係性についてお話しましょう。褒められるという体験が、どのような自己肯定力アップに繋がって行くのでしょうか?
生きやすさを左右する自己肯定力とは?
自己肯定力とは、その名の通り自分自身を肯定する力の事を指します。自分自身の長所も短所も全て受け入れ、自分で自分を認めてあげられる力の事を自己肯定力というのです。
幼児期は褒められる事で自己肯定力は育まれる
自分自身を認めて受け入れる自己肯定力は、他者から褒められるという体験をする事で育まれると言われています。特に幼児期は、まだ学校の成績や勝ち負けの世界がない時期でもあるので、その子の本質的な部分を褒めてもらえる貴重な時期とも言えます。
このような時期に、褒められ体験が多い子どもは、その後の人生において非常に自己肯定力が高い状態で過ごす事が出来るとされています。
自我が不確立な時期だからこその「褒められ体験」
幼児期の子どもは、何事にも思いのままにチャレンジしようとします。好奇心も旺盛なので色々な体験を通して、自分の世界を広げようとする時期なのです。
しかし、この時期に叱られてばかりいると、知らず知らずのうちに自尊心が傷付けられ、自分の事を卑下するクセがつくため、いつでも怯えているような人の目を気にする子どもになります。その分かれ道でもある幼児期だからこそ、「褒められ体験」は非常に重要なものなのです。
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自己肯定力をアップさせる褒められ体験とは?
自己肯定力をアップさせるためには、ただ何でもかんでも褒めれば良いというわけではありません。しっかりと将来に繋がる「褒められ体験」を子どもにさせてあげることが大切なのです。
他の子との比較ではなくその子自身を褒める
よく、「○○ちゃんより出来ていて凄いね」や「○○くんより上手だよ」という褒め方をしている人を見かけますよね。これは、一見子どもにとって嬉しい褒め方のように感じますが、実はそうではありません。
他の子の事を下げて褒められた場合、無意識のうちに「自分も失敗したらこんな風に言われてしまうかも」という恐怖心も意識の中に入ってしまいます。そうなると、自己肯定力アップにはなかなか繋がらない可能性があるので注意しましょう。
少し前から成長している部分を褒める
子どもは、自分自身の成長には気づく事が出来ませんそのため、自分が自然と出来るようになっていた事を親からふいに褒められると、とても嬉しく感じるのです。
また、漠然と褒めるよりも具体的に子どもがした行動を合わせて褒めてあげると、自己肯定力アップに繋がる「褒められ体験」になります。
子どもが興味のある&得意な事を中心に褒める
子どもに限らずですが、自分が得意な事や興味があって詳しい事などは、本人は意識せずにやっている場合が多いと言えます。そのため、褒められる事で自信に繋がります。褒められようとして頑張ってやった事ではないからこそ、「褒められ体験」を感じる褒め方になるのです。
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褒められ体験で親子の絆も強くなる
最後に、褒められ体験によって親子の絆も強くなる理由について解説します。褒められ体験がもたらす影響は、子どもの自己肯定力をアップさせるだけではないのです。
子どもの良い面を見ることで信頼して見守れる
子どもを褒めようとする時には、自然と良い面や子どもの成長している面を見ようとしますよね。これが繰り返される事で、自然と子どもを信頼し、「この子は出来る、大丈夫」という気持ちが生じ、親として信頼して見守れるようになるのです。
子どもが親に素直な感情を見せやすくなる
常に自分の本質的な部分を親が褒めてくれると、子どもも素直に嬉しい気持ちになります。そうすることで、良好な親子の信頼関係を築く事が出来るようになります。そうなると、子どもは親の顔色を伺うことなく、その時に感じた素直な感情を見せてくれるようになるのです。
良い感情だけではなく、困っている時や悲しい時なども、隠さずに親に見せられるという安心感が、さらに自己肯定力アップに繋がるでしょう。
価値観の違いも受け入れられるようになる
幼児期から褒められ体験をしていると、自分自身の事を認められる自己肯定力がアップし、自分に自信が持てるようになります。そうなると、自然と他者との価値観の違いも受け入れられるようになり、自分を必要以上に卑下するという事も少なくなります。
親との絶対的な信頼関係を築けているからこそ、子どもらしい素直な心の発育が可能になるのです。
おわりに
自己肯定力は、私たちが生きていく中で非常に大切なものであり、特に幼児期に体験した物事が大きく影響します。そのため、幼児期にたくさん褒められ体験をすると、自分自身を受け入れることができるようになり、他者との違いも受け入れられる大人へと成長する事が出来るのです。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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