「呪いの言葉」という用語をご存知でしょうか?
近年、注目されている言葉ですが、親が何気なく何回も子どもに投げかけている言葉が、知らず知らずのうちに子どもにとっての「呪いの言葉」となり、その後の人生で苦しむ要因になってしまうもののことを言います。
この記事では、親が子どもを追い詰める「呪いの言葉」について解説します。
子どもを追い詰める「呪いの言葉」とは?
まずは、子どもを追い詰める「呪いの言葉」には、どのようなものがあるのかを具体例を挙げながら紹介します。
普段、何気なく発している言葉の中にも、実は子どもにとっては「呪いの言葉」になるものが多く含まれているのです。
【呪いの言葉①】「本当にダメなんだから」
これは子どものやる気を出させようと、ダメな部分を分かりやすいように伝え改善してほしいという親の気持ちも含まれている言葉と言えます。
しかし、まだ「自我」がしっかりと確立出来ていない子どもにとっては、大人になって引きずることもあるくらいの「呪いの言葉」になってしまうのです。
【呪いの言葉②】「早くしなさい」
子育て真っただ中のママ・パパならば、1日に何回も言っている言葉でしょう。
時間に追われて生活していると、どうしてもせかさないと次の予定に間に合わないことが増えてきて、子どもに対して「早くしなさい」とつい言ってしまう場面は多いものです。
しかし、納得できないまま次の行動に進んだ子どもは、自分で考え納得するという工程を踏まないまま進んでしまう現実に、ある日突然付いていけなくなるケースがあるのです。
【呪いの言葉③】「○○さんは出来るのになんであなたは…」
この言葉も、実は子どもの自己肯定感を低くしてしまい、自信をなくす要因になる「呪いの言葉」です。
他の子どもと常に比較され、自分の良い部分を見てもらえない寂しさも、強く感じてしまう言葉と言えるでしょう。
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子どもを追い詰める「呪いの言葉」の注意点
「呪いの言葉」といっても、親からすれば子どものためを思って言っている言葉でもあります。
その言葉をしっかりと子どもに正しく伝わるようにするためには、以下のような注意点を意識することが必要です。
「呪いの言葉」をゼロにはしない
矛盾しているように感じるかもしれませんが、「呪いの言葉」は時と場合によっては、必要でもある言葉です。
子どもにとって「呪いの言葉」になるからと、まったく言わないようにしてしまうと、逆に子どもにとって良くないこともあります。
そのため、「呪いの言葉」をゼロにしようとは思わない点がポイントです。
何度も多用すると効果が半減する
「呪いの言葉」になる言葉たちは、最初こそ子どもには強烈な言葉として聞こえるので、いう事を聞くようになるでしょう。
しかし、子どもも何度も同じように言われ慣れてしまうと、その言葉に対して免疫が出来てしまい、反応しなくなるという恐れがあります。
「呪いの言葉」になるかは子どもによって変わる
同じ言葉を言われても、呪いのようにいつまでも子ども自身を縛り付けてしまう言葉になる事もあれば、子どもによっては呪いどころか逆にやる気になる言葉のケースもあります。
そのため、同じ言葉でも子どもの性格などによって「呪いの言葉」にも「やる気を出させる言葉」にもなり得るのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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