先日、武蔵野市は保育園で使用した交換後の紙おむつを、2019年4月より公費で回収すると発表しました。東京23区や地方都市でも、使用済み紙おむつを回収する保育園が増えてきています。おむつを自宅に持ち帰らなくてよいなんて、保護者には朗報!これから全国の保育園でも使用済み紙おむつの回収が進んでいくのでしょうか。
使用済み紙おむつは持ち帰りが常識!?
保育園で交換した使用済み紙おむつは、少し前まで各家庭に持ち帰り処理するのが普通でした。どうして使用済み紙おむつは持ち帰らなければならないのでしょうか。
子どもの健康状態の確認
排せつ物は健康のバロメーター。保護者が子どものうんちやおしっこを確認して、健康状態を把握してほしいというねらいがあります。しかし、持ち帰った複数枚の紙おむつを、一枚ずつ開いて確かめる…なんて、親でも結構苦痛な作業ですよね。筆者はよく一時保育を利用していましたが、子どもの食欲があって元気だったら、持ち帰ったおむつは捨てるだけで確認しませんでした。二重に袋に入れてくれているので、開けるのも手間だったのを覚えています。保育士が連絡帳にうんちの回数とその状態を記入してくれているので、家で持ち帰ったおむつを確認しない保護者も多いのではないでしょうか。
保育園にスペースがない
保育園でのおむつ交換の回数は、年齢にもよりますが一人4~5回程度。0~2歳の園児が30人いる保育園だったら、一日で約150枚もの使用済み紙おむつが出ることになります。
もしそれを保育園で回収するなら、大量のおむつを衛生管理ができる場所に一時保管しておかなければなりません。また、毎日業者が回収してくれるとは限らないので、2、3日分のおむつを保管できるスペースが必要になります。そのスペースを確保するのが難しいという保育園が多いのです。
処分するには費用がかかる
使用済み紙おむつは各家庭でごみに出せば、無料で回収してくれます。しかし、保育園で捨てると「事業系一般廃棄物」に区分され、回収は有料になります。武蔵野市は月曜から金曜までの回収で、年間約1900万円の費用がかかるとしています。たかがおむつですが、大量に廃棄するには、多大な予算が必要となるんですね。
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使用済みおむつは保育園で回収!その理由は
保育園で使用済み紙おむつを回収すると、保護者が楽になるのはもちろんのこと、他にはこんなメリットが考えられます。
衛生的!
子どもがもし下痢や感染症だった場合、ウイルスがついたおむつを手渡しでもらい、カバンにしまうのは衛生的によくありません。保育士はおむつ交換をしたら、汚れたおむつを袋に入れて、最後に手を洗います(おむつ交換時にはビニール手袋を使用)。袋を何重にしても、袋自体にウイルスが付着しているかもしれません。
またお迎え後、買い物に寄る場合、スーパーの中でうんちのおむつを持ち歩くのは抵抗がありますよね。まわりに臭いがもれないかも心配です。保育園で使用済み紙おむつを回収してくれるなら、衛生面が安心になります。
保育士の負担が減る
使用済み紙おむつを保護者が持ち帰る場合、保育士は交換したおむつを二重にビニール袋に入れ、名前を記入し、それぞれのロッカーや保管場所などに個別に置いておきます。そしてお迎え時に荷物と一緒におむつを渡さなければなりません。しかし使用済み紙おむつを保育園で回収できれば、それらの手間がはぶけるので、保育士の負担を減らすことができます。交換後のおむつは決められた場所に集めて、後はまとめて回収してもらうだけ、となると楽ですね。
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3人の子を持つ母親で元保育士。
早起きして高校生のお弁当づくりに励む日々を送っています。私の元気の源は推し活。推しってどうしてあんなに尊いのでしょうか。
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