高層マンションが慣れっこの子どもの増加と転落事故急増の背景

高層マンション

高層マンションで子どもの転落事件が増加

窓の外を見る
現代では、核家族化と都市化が進み、都会の高層マンションで暮らす世帯がめずらしくなくなりました。特に、都会は土地がとれないこともあり、戸建てより数多くの世帯が住むことのできる高層マンションが次々と建設されています。しかし、便利に見えるマンション暮らしですがベランダから子どもが転落するという事件が後を絶ちません。

実際に高所から子どもが転落した事件数は?

ときどき、テレビのニュースなどで耳にする、子どもの高所からの転落事件。しかし、身近で起こったことのない場合は、実感がわかないことも多いかもしれません。では、実際に子どもが転落した事件数はどのぐらいなのでしょうか?東京消防庁のデータによると、平成23年~28年の間に消防庁の管轄内で起こった子どもの転落事件は、218件だと報告されています。年齢別のグラフをみてわかるとおりひとり歩きを始める1歳、2歳の件数が多くなっています。

子供の転落事故

子どもの転落事件が起きる理由とは1

子どもは高い場所に恐怖を感じるといわれることも多いですよね。その子どもがなぜ転落事件を起こしてしまうのでしょうか?その一番多い理由は、親を探そうとして誤って転落したというケースです。実は、子どもの転落事件が起こったときには、親がそばにいないという状況がほとんどです。例えば、親が少しの間だからと同じマンション内に用事で外出した際に、親を探すためにベランダに出て、転落してしまったというような理由があるようです。親としては数分という短い時間でも、子どもにとっては親のいない数分は不安感が募る長い時間に感じることがあります。小さい子どもを部屋に一人にしないという親の強い意識が必要です。

子どもの転落事件が起きる理由とは2

子どもの転落事件が起きる理由は、親を探そうとしたからというだけではありません。現代の子どもは、生まれたときから高層マンションで育つことも多く、高い場所で過ごすことに慣れ、怖いという感覚が少なくなっているという点も挙げられます。大抵、子どもは4歳ぐらいまでに地面と自分の目線の高さによって、「高い場所は怖い」という感情が芽生えるといわれています。しかし、この時期をマンションの高い場所で過ごした子どもは、地面を見ずに空だけ見て育つため、高い場所への恐怖が発達しにくいこともあるのです。

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ベランダの活用方法の変化が転落につながる

家族でベランダ
親を探すためだったり、高い場所に恐怖を感じない子どもが増えたりすると、必然的に転落事件は増加します。しかし、このような理由のみであれば、昔の子どもでもあり得ることだといえるでしょう。子どもの転落事件の背景には、従来のベランダの活用法が変化しているという、現代のライフスタイルにも影響しているのです。

昔のベランダは、生活スペースではなかった

従来のベランダというと、生活スペースの一部と捉えられてはいませんでした。ベランダは屋外という意識がありましたし、子どもたちも室内が遊んだり、活動したりする空間だと認識する場合が多かったといわれています。また、ベランダは、子どもの場所というよりも、親が洗濯物を干したり、洗濯機や冷暖房のモーターを置いたりする場所という感覚もあったかと思います。ベランダは、あくまでも付属物のような考え方があり、室内とベランダ(屋外)の住み分けや区切りが明確だったともいえるでしょう。

ベランダを有効活用する考え方が生まれた

高層マンションは一軒家のようなスペースがとれない場合が多いものです。特に、都心のマンションは広い場所がとれないため、室内の生活スペースも狭くなりがちです。そこで、ベランダも部屋の一部として有効活用しようという考え方が生まれました。ベランダにテーブルセットを置き、カフェテラスのような雰囲気を感じながら、そのスペースで食事やティータイムを楽しんでいる家族も増えています。また、高い階層から街並みを見渡すことでリフレッシュをするという考えもなじんできています。

室内とベランダの境界が曖昧になっている

 
ベランダを有効活用しようという考え方は、高層マンションを売り出す不動産会社にとっても、重要な要素となりつつあります。マンションにも関わらず、少しでもゆとりがある空間を感じてもらいたいという気持ちで、ベランダを広くとり、家族全員で食事をしたり、遊んだりできるスペースを提案することもあるといわれています。しかし、この新しいアイデアのもとに育った子どもは、室内とベランダの区別が曖昧になりがちです。もちろん、高いベランダに対しても、怖いという感覚が薄くなりますので、誤って転落事件に発展する確率も高くなります。

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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》

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