本当に安全な学校環境を手に入れるには
子どもたちを育てることは、学校だけでできることではありません。学校と地域、保護者が連携して子どもたちの育ちを見守り、支援する必要があります。そのため、学校は地域に開かれた学校づくりを目指しており、安全対策との両立が課題となっています。
死角を作らない建築構造
小学校に不審者が侵入し、児童を殺傷した2001年の付属池田小事件が起こってから、学校の不審者対策は大変重要なものになっています。とはいえ、すべての学校を大きな塀で囲ってしまうことは不可能ですし、「地域に開かれた学校づくり」とは真逆の方向性になってしまいます。開かれた学校と安全な学校を両立させるには、死角を作らない建築構造が必要です。高い塀の代わりに樹木が植えられている学校なら、低木にしてよく手入れをし、外から見えやすい状態を保たなくてはいけません。犯罪を抑止するには、誰からもよく見えることが大切です。場合によっては、職員室の再配置も検討すべきでしょう。
地域コミュニティーの再生が鍵
学校の安全は、学校内にいる先生だけで守ることはできません。登下校の見守り、見慣れない人への声かけなど、地域の大人たちが子どもの安全を見守ることが必要です。地元住民の方にお願いして、犬の散歩やウオーキングの時間帯を登下校の時間にあわせてもらっている地域もあります。町内会に案内を出し、避難訓練に参加してもらっている小学校や、地域住民と教職員が合同で、災害時の避難所設置ワークショップを開催している小学校もあります。障がいを持った地域の方が不審者として通報される事例が続き、地元の警察とPTA、障がい者自立援助施設の職員が連携し、情報交換をはじめた地域もあります。学校の安全を守るためには、こうした地域コミュニティー再生の取り組みが必要です。
おわりに
学校には、災害や事故に関する危機管理マニュアルがあることがわかりました。マニュアルが、どの程度の頻度で更新されているか、訓練のあとに検証や改訂がおこなわれているかは、保護者としても知っておくべき情報です。学校がどのような対策をおこなっているのか、一度、文科省のマニュアル作成の手引きを読んでみることをおすすめします。そしてひとりひとりが子どもの安全のためにできることを考えてみましょう。
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