一部の公立小学校や中学校で導入されている「習熟度別授業」をご存知でしょうか。習熟度別というと、中学受験塾などで取り入れられている成績によって分けられるクラスと同じような印象を受けるかもしれませんが、学校の「習熟度別授業」は少し違います。気になる「習熟度別授業」のメリットについてまとめていきたいと思います。
小学校の「習熟度別授業」とは何か?
塾のクラス分けとは違う、小学校の習熟度別授業。その最大の違いは、純粋な成績順のみで分けるわけではないことです。子どもや保護者の希望も踏まえながら、子どもの個性に合わせてクラス分けをしてくれるのが特徴です。
算数などの授業を理解度に合わせて分ける
習熟度別授業は、国語や理科、社会よりも、算数の授業に取り入れられることが多く、その名の通りその教科の習熟度、理解度にあわせてクラス分けを行います。
1年間クラスを固定されるわけではなく、単元ごとに細かくクラス分けを実施する学校もあります。これにより、習熟度の早い子どもたちは、より応用力の必要な問題にチャレンジでき、さらに進んだ勉強をすることができのです。
習熟度の遅い子どもたちは、少人数制の手厚い授業によって、苦手な算数の問題が少しずつ理解できるようになることが期待できます。
成績順で分けるわけではないことも
塾のようにテストの成績順にクラス分けをするわけではありません。この分け方にすると、習熟度の早いクラスの学力は上がりますが、遅いクラスはモチベーションが上がらず、劣等感をおぼえてしまい、勉強への意欲もなくしてしまうことがあります。
学校の習熟度別授業は、もちろん成績も判断材料になりますが、子どもの意思や個性に応じてコース分けをします。これにより習熟度の早い子どもたちは、意欲をもってより高い成績を目指すことができますし、習熟度の遅い子どもたちも「分かる」を経験しながら、モチベーションを上げて勉強に取り組むことができるのです。
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習熟度別授業に効果はあるのか?
習熟度別授業で一番気になるのが、成績アップにつながるのかということです。習熟度別授業は、子どもたちにどのような効果をもたらすのでしょうか。習熟度の早いクラスと遅いクラス、それぞれのパターンから考えてみました。
習熟度の早いクラスには効果あり!
通常の授業では踏み込まない発展的な授業を受けることができるため、子どもたちは自分の能力を遺憾なく発揮することができます。簡単すぎず難しすぎない、自分の実力に見合った勉強をすることで、達成感も味わえて楽しい気持ちで授業に臨むことができるようになることも可能です。
学ぶ意欲がますます強くなっていくことで、さらなる成績アップも期待できます。つまり、習熟度の早いクラスでは、習熟度別授業での効果を感じやすいと言えるでしょう。
習熟度の遅いクラスは条件付きで効果あり
習熟度の遅いクラスでも、分からない単元を丁寧に教えてもらうことによって「勉強が分かる」経験を積むことができます。そのため、通常の授業よりも楽しみながら取り組めるようです。しかし、習熟度の遅いクラスを指導する際には、少人数制にすることや、教師を2人以上配置する「チームティーチング」をするなどの工夫が必要です。
習熟度の遅いクラスには、家庭環境の影響で勉強の仕方がそもそも分からない、勉強への意欲が全くないといった事情のある子どももいます。そのため、子ども一人ひとりに寄り添う形で指導をしていくことが大切なのです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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