家庭でのLGBT教育
日本のLGBT教育は、まだ始まったばかり。学校で制度変更が行われるまでには時間がかかりそうです。そこで、LGBTQ+をテーマに、家庭でできることはあるのでしょうか?私たちが日常でできる、身近なLGBT教育。その一例をご紹介します。
お父さん・お母さんが子どもに伝えたい3つのこと
ふだんの会話を通じて伝えたい、家庭でのLGBT教育の一例をご紹介します。
(1)「男の子らしさ」「女の子らしさ」は求めない
「男の子だから〇〇しなくちゃ」「女の子は~~しちゃダメ」といった声かけを控える。さらに気をつけたいのはポジティブな発言。「男の子だから強いね!」「女の子らしくて可愛いね」といった肯定的なニュアンスでも注意したいものです。自分の性別は男・女だから”こう振る舞うことを大人に期待されている”…という、誤った認識につながるかもしれません。
(2)ありのままの貴方が大切
性別ではなく ありのままの子どもの姿に愛情をそそぐこと。その子の性格や感性を認めてあげたいですね。大人同士でよくある「生まれる前はどちらの性別を希望していたか」といった話題も、子どもの前では控えたいものです。
(3)周りの子を見た目で判断しない
年齢が上がるごとに、友達付き合いにも性別が深くかかわってきます。子どもから「男子としか遊ばない」「女子なのにコレをしないのはおかしい!」といった発言があった場合、親は別の視点を持っていることを伝えるチャンスです。どんな性別でも仲良くなれる人は見つかる、性別で決めつけなくていい…などなど。ただし、「人前でそんなこと言っちゃダメ」といった、強い禁止の言葉は避けて。まずは「どうしてそんな風に思ったの?」と問いかけてみましょう。
性にまつわるお悩みの相談先
お子さんや身近な子どもが「自分の生まれ持った性別に違和感を持っているようだ」「性別を理由に不当な扱いを受けた」といったお悩みがあれば、ぜひ周囲に相談を。担任の先生以外にも、次のような相談先があります。
- 学校医、スクールカウンセラー
- 自治体の福祉課、児童相談所、青少年向けの相談窓口等
- かかりつけの小児科、内科。その他、精神科・泌尿器科などを診療する医院にて、性同一性障害の診断を扱っているケースがあります。
なお、性同一性障害の学会であるGID学会では認定医と所属する病院名を公開しています。合わせて参考にしてみてください。
おわりに
電通ダイバーシティ・ラボの調査によると、「LGBTQ+層の割合は8.9%」だそうです。 じつに11人に1人がLGBTQ+。これは学校など集団生活の場では、誰もがLGBTQ+に関わりうることを示しています。困ったことが起こったら対処しよう、ではなく、日頃からテーマへの理解を深めていきたいですね。家庭での何気ない会話だって大切なLGBT教育の場です。ぜひご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。