小さな子どもにはケガや病気がつきものですが、いざ入院ともなると、焦ってしまいますよね。症状や治療に関する心配はもちろん、お金に関しても気になります。未就学児の子どもの入院費用は、一体どのくらいかかるものでしょうか?自治体から助成を受けることはできるのでしょうか?今回は、子どもの入院にかかる費用についてご説明します。
医療費助成制度とは?入院も対象になる?
未就学児子どもの医療にかかる費用は、その大部分を自治体が助成してくれます。「乳幼児医療費援助制度」「子どもの医療費助成制度」など、各自治体で呼び方は異なりますが、乳幼児の医療費を負担してくれる制度があります。
医療費援助の対象は?年齢・収入
2017年現在、乳幼児であれば基本的に医療費援助の対象になる確率が高い状況です。しかし、自治体によって医療費援助の対象となる条件にバラつきがあるため、要注意。主な条件は次の二つです。
年齢
小学校に入る前(就学前)、9歳年度末、18歳年度末など自治体によって対象年齢が異なります。2017年現在、どの自治体でも基本的に未就学児は対象内です。
所得制限
一部、親の所得が一定額以上である場合は対象とならない自治体もあります。あるいは、中学生以上など、ある年齢から所得制限を設けているケースも。
入院も対象になる?
対象年齢・所得制限の条件を満たしてさえいれば、入院も助成金が受けられます。ただし、差額ベッド代など一部で、自己負担となる項目もあります。また、子どもが未就学児の間は無関係ですが、通院より入院の方が、対象期間が長いケースもあります。通院に対する助成は小学校に入るまでで終わってしまうけれど、入院に関しては12歳まで認められるなど。自治体によって異なるため、ややこしい点ですが、ぜひ頭の片隅に置いておきたいものです。
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子どもの入院費を自治体別にご解説
自治体によって大きく異なる医療費援助制度。少子化対策の一貫として、対象範囲を拡充する自治体が相次いでいます。自分が住んでいる地域の情報は、こまめに確認しましょう。こちらでは、複数の自治体を例に挙げて、入院にかかる費用についてご説明します。
食事代・差額ベッド代は対象外のケース
大阪市をはじめとする多くの自治体で、入院中の食事代や、差額ベッド代など医療行為以外の項目を対象外としています。
(例)大阪府の定める自己負担項目(2017年10月現在)
- 入院時の室料差額
- 紹介状なしで受診したことにより発生した費用
- 入院時の食事療養にかかる費用
- 訪問看護費用
なお、室料差額・差額ベッド代とは、個室を選択した場合などに発生する費用です。また、大きな病院では紹介状がない場合、初診時に5000円~1万円の定額負担を請求されることがあります。このように、入院に付随して発生する費用の一部が、自己負担になる可能性があります。
自己負担分も支給してくれる自治体も
自治体によっては入院時の食事代など、自己負担分に対しても援助してくれる場合があります。
(例)東京都世田谷区の入院時の自己負担分への扱い(2017年10月現在)
- 支払った医療費(入院時の食事の自己負担分)を対象に、申請を行えば支給を受けられる
- 支払時に領収書を受け取り、所定の申請手続きを行う
このように、医療費援助が充実していることは、その自治体の大きな魅力ですね。入院が長期化すると、その分食事などにかかる費用も増えるため、とても心強い制度です。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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