赤ちゃんは誕生してから、首や腰がすわり、お座り、つかまり立ちなど著しく体の成長が起こります。それと共に、ぐんぐんと心も成長していくのです。特に、生後9カ月ごろの赤ちゃんの心身に起こる激しい変化を、発達心理学では「9カ月革命」と呼びます。
ここでは、赤ちゃんの社会性の発達「9カ月革命」についてまとめていきます。
コミュニケーション能力が育つ9カ月革命!
9カ月革命は、赤ちゃんの社会性がぐんと成長することをいいます。9カ月ごろになると、親など他者に対してのコミュニケーションの仕方が劇的に変わるのです。9カ月までとそれ以降で、どのような変化があるのでしょうか。
9カ月までの赤ちゃんの心の発達
生まれたての赤ちゃんは、空腹などの不快感を泣くことで表現します。そして、生後3カ月ごろになると音に反応したり、笑顔を見せたりするようになっていきます。そして、自分の体の存在に気づき、手をしゃぶるなどの仕草を見せてくれるのです。
その後、親にあやされると喜んだり、おもちゃに興味をもったりと、自分以外の存在にも気づいていきます。さらに、7カ月を過ぎると「お母さん」が分かるようになって、人見知りが始まる赤ちゃんもいます。
だんだんと感情表現が豊かになる赤ちゃんですが、この時はまだ「二者関係」とよばれる、「自分と人(物)」の関係でしかありません。
9カ月ごろ他者との関わりに劇的な変化が
お父さんやお母さんのおしゃべりに反応し、おもちゃを手に取って遊べるようになった赤ちゃん。9カ月ごろになると、親が見ている物に対して関心をもちます。
たとえば、お母さんが部屋に置いてあるくまのぬいぐるみや、お散歩中に車を見ると、赤ちゃんもそちらの方を見るでしょう。そして、「くまさんかわいいね」などと話しかけると、赤ちゃんもぬいぐるみを見てお母さんと同じ気持ちになります。
さらに、赤ちゃん自身が関心を持った物を、お母さんにもアピールしたい様子を見せたり、お母さんやお父さんなど、身近にいる人たちの表情を読んで気持ちを理解しようとしたりします。
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9カ月ごろの赤ちゃんへの接し方は?
劇的な成長を見せる9カ月革命。赤ちゃんの感情表現も豊かになり、お母さんやお父さんも赤ちゃんと遊ぶのが楽しくなりますね。赤ちゃんの変化に気づいて、その成長に合わせたコミュニケーションをとってあげましょう。
9カ月革命が起こる時期には個人差がある
9カ月革命にみられる、「自分」と「お母さん」だけだった世界に、「物」も関連付けられるようになることを「三項関係」といいます。
また、「同じ物」を見た後にお母さんに視線を送り、確認するようなそぶりも見せます。これは「共同注意」といい、「物」と「お母さん」両方に意識を向けているということです。お母さんやお父さんは、そういった赤ちゃんの成長を見逃すことなく、コミュニケーションの取り方も徐々に変化させていきましょう。
また、9カ月革命は、ぴったり9カ月に起こるというわけではありません。だいたい9カ月ごろというだけで個人差がありますし、いきなり変化するわけでもありませんので、赤ちゃんの成長を焦らずに見守ってあげましょう。
話しかけや共感してあげることが大切
9カ月革命が起こる前も起こった後も、大切な親子のコミュニケーション。まだおしゃべりが楽しめない赤ちゃんに話しかけるのは一方通行な気がしてしまいますが、赤ちゃんはきちんとお母さんやお父さんの言葉を聞いています。
人や物の名前や気持ちの名前をたくさん赤ちゃんに聞かせてあげることで、まだ話せない赤ちゃんも、「お母さん」と言われればお母さんを見て、「車」と言われれば車の方を見ることができるのです。
また、赤ちゃんが猫の方を見たら「ねこちゃんかわいいね」と言って、赤ちゃんが関心をもった物ごとに対して共感してあげられると良いですね。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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