最近、特にネット上で見られるようになった言葉に「子ども部屋おじさん」というものがあります。これは実家の子ども部屋に住み続けている中年男性のことを指す言葉で、略して「こどおじ」といわれることもあります。息子には良い年になったらいつまでも実家にいないで、社会に出て自立してほしいですよね。今回は、子ども部屋おじさんの特徴や息子を子ども部屋おじさんにしない方法についてご紹介します。
子ども部屋おじさんってどんな人?
ネットではよく使われている子ども部屋おじさんという言葉ですが、ネットニュースをあまり見ないという人はよく知らないかもしれませんね。まず、子ども部屋おじさんの特徴についてまとめてみました。
結婚してもいいけど相手がいない?
男女別、年代別の未婚率のグラフを比較してみると男性の方が未婚率が高いのがわかりますね。これは女性の方が婚活の行動を起こすのが早く、男性より早く婚姻しているので男性の未婚率が高いと考えられます。
別の統計では20代前半では約9割の女性に結婚歴がないのですが、20代後半では約6割、30代前半では約3割にまで減少。それに対して、男性30代の約半数の人が未婚のままということがわかっています。
男性の未婚率
女性の未婚率
生活のあらゆる面で親に頼っている
子ども部屋おじさんは実家に住んでいるため、生活のいろいろな面で親のお世話になっています。例えば、毎食ご飯を作ってもらったり、使った服を洗ってもらったりしているのです。学生ならまだ親の庇護のもとにいるので、身の回りのお世話をしてもらっていても問題ないですし、一人暮らしの人からうらやましがられたりもしますが、中年になっても家事を親にしてもらっているのは自立していないと見られてしまいますよね。
子ども部屋に暮らすのは男性が多い
子ども部屋おじさんという言葉がある一方で、もちろん「子ども部屋おばさん」という言葉もあります。しかし、なぜ子ども部屋おじさんほど使われないかというと、単純に子ども部屋おじさんの数の方が多いといわれているからです。女性は男性よりも生涯において結婚する割合が多く、家を出て行きやすい傾向にあります。しかし、結婚の機会がない男性は実家に住み続ける可能性が高いので、子ども部屋おじさんがクローズアップされがちなのでしょう。
自らの収入で生活できる人が大半
子ども部屋おじさんと聞くと定職につかない、いわゆるフリーターやニートをイメージするという方もいるかもしれませんが、実はきちんと働いており、自立して生活できるほどの収入を得ているという人がほとんどです。子ども部屋おじさんだからといって、ずっと子ども部屋に閉じこもっているというわけではないのです。ただ、きっかけもないのでなかなか家から出ることができないようです。
少し前に「パラサイト・シングル」というものがはやりましたが、こちらは社会人になっても実家で生活し、経済的にも精神的にも自立できない未婚者のことです。子ども部屋おじさんは収入はあるのでこの部分が大きな違いとなっています。
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子ども部屋おじさんになる原因とは?
なぜ、子ども部屋おじさんが生まれてしまうのでしょうか?そこにはさまざまな事情があります。ここでは、子ども部屋おじさんになる原因をまとめてみました。息子を子ども部屋おじさんにしないための参考になるはずです。
結婚しないので家を出る理由がない
20〜30代になっても、実家暮らしをする人は少なくありません。そうした人たちがやがて家を出て行く理由は結婚が多いものです。結婚し世帯を持つようになれば、配偶者と二人で暮らすようになる確率が高いからです。しかし結婚しない、またはできないという人は家を出る理由がないので、子ども部屋おじさんになってしまいます。特に実家暮らしの男性は、「家事ができなさそう」「相手の家に気軽に遊びに行ったりできない」という理由から婚活市場で避けられやすいという面があり、結婚には苦労しがちな面もあるかもしれません。
実家で暮らしているのが心地いい
子ども部屋おじさんが実家から出ない理由は、単純に実家暮らしが心地いいからという理由もあります。お金もかかりませんし、ご飯は勝手に出てくるので、かなり良い環境なことは違いありません。ただ、このぜいたくな環境に慣れてしまうと、なかなか自立しようという気にはなれませんよね。しかし、いつまでも親がいて自分の世話をしてくれるという保証もないので、いつかは自立しなければならないと考えることが、望ましいといえるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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