待機児童問題を改善するために出来ること
最後に、今後も待機児童問題を改善していくために出来ることを見ていきましょう。待機児童問題は、法改正や支援拡充だけでは力が足りません。国と現場が足並みを揃え、原因を把握した上で根本的な問題解決が必要なのです。
保育所自体の減少を解消する
現在の日本では、新しく保育所を作ろうと思っても、そこで働く保育士の確保が難しかったり、周辺住民からの理解が得られなかったりなどの理由から、なかなか新しく建設できないというのが現状です。しかし、待機児童問題の解決には、受け皿である保育所は必須です。
そのため、新子育て安心プランにもあったように、地域のニーズに合わせて建物を再利用するなどして保育所自体の減少を解消することが重要です。
隠れ待機児童の存在の把握
隠れ待機児童とは、保護者が育休中や求職活動を中止しているなどの理由から、国や自治体から待機児童として数えられていない子どものことです。このような隠れ待機児童の数を正確に把握すれば、全体的な待機児童問題が解決できる方向に進むと考えられています。
1歳~2歳児向けの保育環境の整備
保育所不足の中でも、特に1歳~2歳児向けの保育設備が不足しており、待機児童問題が解決しない要因の1つとなっています。つまり、全体の待機児童の約77%が1歳~2歳児となおっており、整備が追い付いていないことが伺えます。このような原因を1つ1つ解消していくことが、待機児童問題の根本的な解決の道へ繋がると言えるでしょう。
おわりに
待機児童問題は、昔から問題として取り上げられていますが、早々の解決への道のりは険しいと言えます。しかし、新たな支援プランの誕生で、少しずつ待機児童数が減少しているのも事実です。今後、さらに待機児童問題が解決される事を願いたいですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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