「思春期と反抗期ってよく聞くけど、何が違うの?」と考えたことはありませんか?実際に思春期と反抗期を体験していても、上手く説明できない親世代は多いことでしょう。
今回の記事では、思春期と反抗期の違いについて分かりやすく解説します。
【思春期と反抗期】具体的にどう違う?
思春期と反抗期は、単純に「体の成長と親に反抗すること」だと感じるかもしれませんが、実際にはさまざまな点が異なります。
では、具体的にどのような部分が違うのかを確認していきましょう。
誰にでも一度訪れるのが思春期
思春期は、心と身体が子どもから大人に変わっていくタイミングのことを指します。変化するスピードが非常に早く、「大丈夫なのかな?」と不安に感じ、戸惑う子どももいるほどです。
また、家族や友達との距離感が変わり、不安定になることもあるでしょう。
反抗期は人生に約2回訪れる
みなさまが思い描く反抗期は、中学生~高校生のときにトゲのある言葉を親などの大人に吐き捨てる時期だと捉えている場合もあるかもしれません。
しかし、実際には2歳前後で経験する「イヤイヤ期」(自我が芽生え、親の言うことを聞かない)が1回目の反抗期だと言われています。
思春期と反抗期の具体的な違いはコレ
まず、大きく違うのは、思春期は必ず1度は経験するという点です。
反抗期は基本的には2回ありますが、「反抗期を経験しない」という子もいるので、必ずとは言えません。
また、思春期は心と身体が大人に向けて成長をし、身体にも大きな変化がおきるため、自分自身と他人を比べてしまう、異性に対して恋愛感情を持つなどの特徴があります。
一方、反抗期は「親から守られていた環境」から離れ、自分の考えを重視して決めていく練習をする時期だと言えるでしょう。
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思春期は反抗期よりも不安を感じる子が多い
上記で軽く説明しましたが、さらに思春期について詳しく見て行きます。
大人からすれば「当たり前のこと」だとしても、思春期の変化に不安を感じる子どもは多いため、しっかりと理解して寄り添ってあげましょう。
思春期の特徴ってどんなもの?
思春期の子どもには、以下のような特徴が現れます。子どもにとって不安を感じやすい時期のため、親は子どもを受け止め、サポートすることが大切です。
身体の変化がおきる
身長が伸びる、体重が増える、筋肉と骨格の成長などが生じます。目に見える変化がおきるため、周りの人と自分の身体などを比べてしまうこともあります。
心の変化がおきる
自分を客観視できるようになるため、「私の長所と短所はどこだろう?」と自分自身について問う時期だと言えます。そうすることで、アイデンティティを確立していくことができるのです。他にも、不安やイライラ、自己評価を低くしてしまうなどの問題が起こる場合もあります。
人間関係における考え方が変わる
今までとは違い「親や友達などとの距離感が変わる時期」だと言えるでしょう。少しずつ親との距離感を作り直し、自立に向け試行錯誤します。親からすれば少し寂しい時期でもありますが、とても大切な過程です。
内向的になる
思春期になると、口数が減ることがあります。また、「親に干渉されたくない」と部屋から出てこなくなるなどの問題も起きやすい傾向にあります。
リスクの高い行動をとる
お酒を飲んだり、タバコを吸ったりすると、身体に大きな影響が生じる時期が思春期だと言われています。しかし、興味本位で非行的な行動を取る傾向もあります。
思春期における男の子と女の子との違いは?
同じ思春期でも、男の子と女の子では以下のような差があります。性差による違いも理解し、子どもとの接し方を考えていきましょう。
- 声変わりがはじまり、声のトーンが低くなっていく(のどぼとけが出る)
- ヒゲが生えきて、体毛が濃くなっていく
- 他人と比べやすくなり、自己評価が下がる
- 異性に興味がわき、性への関心が高まっていく など
-
【女の子】
- 胸が膨らみ、月経がはじまる
- 外見を友達と比べて「自分が劣っている」と深く思い込んでしまう
- 男の子に比べると性への関心は薄いが、異性への恋愛感情が芽生える
- 親子関係が良好な場合は、今までと変わらずに仲良く話すことができる など
思春期の子どもに効果的な接し方
思春期の子どもに対しては、あまり神経質にならない方がいいでしょう。
親からすると「今までよりコミュニケーションが減って寂しい」と感じるかもしれませんが、この段階でしっかりと親との距離感を作り直すことができなければ、自立ができないまま大人になる可能性があります。
タバコは絶対にダメなどの「ここだけは絶対に譲らない」というポイントを決めておき、それ以外は受け入れてあげると、ふさわしい関係が築けるはずです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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