子どもが小学生になると、ちょっとした問題から親子喧嘩へと発展してしまうことがあります。親子喧嘩をしてしまったとき、親は子どもに謝るべきなのでしょうか?
また、親は子どもにどのような態度で関わる必要があるのでしょうか?
ここでは、小学生のわが子と親子喧嘩をしてしまった際の対処法や注意点についてお伝えします。
小学生の子どもは、なぜ親子喧嘩をしてしまう?
子どもが小学生になると、親の注意や指摘に対して反抗的な態度をとり、親子喧嘩へと発展してしまうことも。親としては複雑な気持ちになりますが、子どもも意味なく反発しているわけではなく、必ず何かしらの理由を持つ場合が多いのです。
そのため、親としては子どもが反抗的な態度をとってしまう原因を理解し、受け止めた上で、親子喧嘩に臨むことが肝要となります。
小学生の子どもと親子喧嘩をしてしまう原因としては、次のようなことが挙げられます。
子どもの反抗期によるもの
子どもが思春期近くになると、反抗期という成長過程に差し掛かります。身体や心が大人になる準備期間のため、何もかもが不安定で複雑。この時期の子どもは、親のちょっとした言葉や指摘にも敏感に反応します。
反抗期には個人差がありますが、誰もが歩む過程です。たとえ、親子喧嘩に発展してしまったとしても、それは一概に親子の仲が悪いというわけではないということは心得ておきましょう。
身体や心が不安定な時であると分かっていれば、親としても、身構えて子どもと向き合えるのではないでしょうか?
子どもからのメッセージ
親が何かを言ったり、特別何かをしたりしたわけでもないのに、子どもが喧嘩をしかけてくる、攻撃してくるといった場合は、子どもから何らかのメッセージが発せられている可能性があります。
学校や友達関係での悩み、自分自身や家族に対する悩みなど、自分では解決できない問題や形にならないモヤモヤとしたものが攻撃となって、表面に現れている可能性も考えられるでしょう。
「なんて乱暴な言葉を使うのだろう」「どうしてこんなふうになってしまったの?」と子どもの表面的な問題ばかりに目が向きがちですが、原因はもっと根本的な部分に隠れている場合が多いのです。
親子喧嘩の原因やきっかけは、子どもの助けの声である場合も少なくないと言われています。
親子喧嘩は子どもの成長の証でもある
子どもが親に向かって反抗してくると、親としては腹立たしいやら悲しいやら何とも複雑な気持ちになりますよね。また、親子喧嘩は他人同士との喧嘩とは違い、情け容赦がありません。本気で向き合うには、相当な気力と体力を消耗することになるでしょう。
もちろん、最終的には喧嘩せず仲良くすることが理想ではあるのですが、親子喧嘩は子どもの成長の証ととらえることもできます。喧嘩できるということは、子どもの「自立心」が芽生え始めていると考えることもできるのです。親子喧嘩と聞くと、ついネガティブなことばかりをイメージしてしまいますが、親子喧嘩にも良い喧嘩と悪い喧嘩があります。
良い親子喧嘩は、自分の心と向き合い、自分の主張を相手に伝える術を学び、相手の主張を聞くことや理解する力を養うことができます。その学びの手本となるのが「親」なのです。
子どもの手本となるような、良い喧嘩相手になれるようにしたいものです。
合わせて読みたい
小学生のわが子との親子喧嘩の対処法
「良い親子喧嘩をすること=親子喧嘩の対処法」と言い換えることもできそうです。それでは、良い親子喧嘩をするためには、親はどのような姿勢で臨めばいいのでしょうか?
親子喧嘩をする際に、大切にしたいポイントを挙げてみましょう。
子どもの立場になり、話を聞くこと
子どもは、理解してもらえない、自分に関心を向けてもらえないということにとても敏感です。親も子どもの頃に「大人なんて自分のことを全然分かっていない」と感じたことがありませんでしたか?
なぜ大人は自分たちのことを全然分かっていないと感じていたのか、それは大人が子どもの話をあまり聞かず、子どもの主張や心を蔑ろにしてきたからではないでしょうか?子どもは大人の、そういった気持ちを敏感に感じ取ります。
まずは子どもとの会話に対して、腹を据えながらしっかりと聞くことが大切です。しかし、聞くだけではいけません。子どもの立場になり、子どもの気持ちに寄り添いながら話を聞いてあげましょう。
親が悪い場合は素直に謝る
子どもの主張を聞いた上で、親である自分に非があると感じた場合は素直に謝りましょう。明らかに非があるにもかかわらず、親が謝れなければ、子どもも自分が悪いことをしてしまった際に謝れない子どもになってしまいます。
また、この時の親の謝り方が、今後子どもが誰かに謝る際のお手本のひとつになるのです。
例え、親であったとしても、
- どんな点が良くなかったと感じたのか?
- 悪かった点を謝る
- 今後同じことはしないようにする
といったことを子どもに伝えるほうが、結果として子どもの成長の糧となります。
親の話をしっかりと聞いてもらうこと
子どもの主張を聞き受け入れたのであれば、今度は親の主張を聞くように子どもを諭してください。喧嘩中に親の話を断固として聞きたがらない、素直になれない子どもがいますが、これは自分が理解してもらえない、話を聞いてもらえないことに対する反応と取ることが出来ます。
親がしっかりと子どもの話を聞き、主張を理解したのであれば、「私はあなたの気持ちを受け止めたよ。だから次はあなたが受け止めてね。」とお話してあげましょう。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。