「サレラリ」とは、浮気をされてしまった人が陥る“好ましくない心理状態”を指す言葉ですが、実際どのような状態なのか詳しく知っているという方は、あまり多くはないのではないでしょうか?
ここでは、「サレラリ」とはどのような状態なのかを、具多的な例を上げながら解説するとともに、サレラリになってしまった場合の抜け出し方、またサレラリと混同されやすい「シタラリ」についても解説します。
「サレラリ」とは一体なに?
近頃、よく目にするようになった「サレラリ」という言葉。サレラリは、男女双方が陥る可能性を持ちますが、ネット界隈では夫に浮気をされてしまった妻に対して使われるケースが多いようです。
また、自分自身で「私はサレラリです」と公言する場合、浮気をしている当人の夫が「妻がサレラリになってしまった」と使うケース、第三者が「友人がサレラリになった」と言うこともあります。
浮気をされて正常な判断ができなくなること
サレラリという言葉は、浮気を“サレ”た人が“ラリ”るという表現からきていますが、「ラリる」とは呂律が回らない状態になる、薬物の影響できちんと会話をすることができないという意味を持ちます。
また、ラリるの類義語には、酩酊する・トリップする・トランス状態になる・トぶなどもあります。
しかし、ラリるは俗語のため、明確な定義はありません。ただ、現代では「普通ではない精神状態」「正常な判断や行動ができない状態」なども、ラリると表現されます。
つまり、サレラリとは、浮気をされてしまったことによって心が不安定になり、正常な判断や行動ができない状態を言うのです。
具体的なサレラリ例について
浮気をされてしまったことによって心が不安定になり、正常な判断や行動ができないというと、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?サレラリ状態は千差万別ですが、具体的な例をいくつかご紹介します。
ショックを受けて精神的に不安定になる
夫が浮気をしている事に対して傷つき、精神が不安定になります。突然涙が出る、感情のコントロールが効かないなどが挙げられます。
夫や浮気相手に怒りをぶつける、攻撃する
浮気をされたことを恨みに思い、夫と浮気相手に強い恨みを抱くケースです。自分でもコントロールできないほどの怒りを持ち、夫や相手に直接的な攻撃を仕掛けることもあるでしょう。
自分を必要以上に責める
浮気の原因が自分だけにあると思い込み、激しく自分を責めます。
見捨てられたくないために一線を画す言動をとる
夫に見捨てられないために、自分の意思に反して浮気を容認したり、夫の言いなりになったりと普段の自分からは考えられないような振る舞いをしてしまいます。
サレラリ状態から一人で抜け出すのは難しい
圧倒的大多数の方は、浮気をされて正常な精神状態でいれるわけがありません。程度の差こそあれ、浮気をされれば、傷つき、悲しみ、怒り、不安などの気持ちに襲われ、普通ではいられなくなってしまうものです。
サレラリはこのような状態が“より強く(ひどく)”起こっており、日常生活がおくれなくなってしまうようなレベルになります。浮気によるダメージをすぐに軽減することは難しく、サレラリは一度陥ってしまうと、自分一人では簡単に抜け出すことが困難になるのです。
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「サレラリ」から抜け出すにはどうすればいい?
では、もしサレラリに陥ってしまった場合、抜け出すためにはどのようにすればいいのでしょうか?以下に、サレラリから抜け出すための具体的な方法をいくつかお伝えします。
気持ちを落ち着かせること
まずは、何よりも乱れている気持ちを落ち着かせることが大事です。感情的になっていると、正常な考え方や判断ができなくなり、解決とは真逆の方向へと進みやすくなってしまうためです。
例えば、「落ち着こう」「冷静になろう」「大丈夫」などという言葉を心の中で唱えるだけでも、十分に効果はあります。
また、深呼吸をすることも有効です。つまり、現在の自分が置かれている立場を整理したり、これからの夫婦関係について夫と話し合ったりするためにも、冷静さを取り戻す必要があります。
冷静さがある程度戻ってきたら、現在の状況や自分の気持ち、これからどうしていきたいかを考え、頭の中を整理しましょう。この時、頭の中だけで考えるよりも、紙に書き出して可視化する方が分かりやすく、混乱に飲み込まれにくくなります。
誰かに話を聞いてもらうことが大切
自分で考えることが辛い、不安という方は親族や友人など頼れる人に話を聞いてもらうという試みも有効です。辛さを吐き出すことで心が軽くなり、サレラリ状態から抜け出せるかもしれません。
サレラリ状態は常に陥ってしまう場合もありますが、精神状態の波により、陥る日があったり、そうでない日があったりと様々です。調子の悪い時にだけ、誰かに頼るという方法もあるでしょう。
また、自分だけでは気持ちの整理ができないため、第三者に手伝ってもらうという方法もあります。浮気をしていることを誰にも知られたくないという方は、心理カウンセラーや浮気相談の窓口になってくれるNPO法人を探すという選択肢もあります。
話し合いをして解決を図る
サレラリ状態から抜け出すには、根本の原因である浮気そのものを解決するのが最も有効な手段ですが、サレラリ状態でいきなり話し合いをすることはおすすめしません。サレラリは、精神的にも負担を感じやすい状態に陥っているからです。
そのため、話し合いをすることで、よりストレスや負担がかかることも考えられるので、気持ちが冷静になり、サレラリ状態が落ち着いたときに話し合いをするようにしましょう。
自分だけでの話が難しい場合は、知人や親族、弁護士など第三者を交えて話し合いをすることで、より建設的な話し合いができるようになります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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