現在は離婚、夫の死などさまざまな理由によってシングルマザーとして生きる人もめずらしくなくなりました。ただ、シングルマザーの大多数は母親1人で子どもを育てることが多いため、経済的に苦しい思いをするケースが少なくありません。今回は、シングルマザーの月の生活費や平均収入などについて解説します。
シングルマザーの月の生活費はどのぐらい?
シングルマザーと一口に言っても、夫と死別や離婚、選択的シングルマザーなどさまざまなケースが存在します。
しかし、シングルマザーの家計は夫婦が揃っている家庭より苦しい場合が多く、月の生活費はできるかぎり安くなるように努力していることもめずらしくありません。
やはり家賃が大半を占めている
生活費の内訳で一番多いのは、家賃です。もちろん、家賃は居住地が都心か郊外かなどによって違いは出てきますが、大多数の場合は月に5万円~8万円だと言われています。
しかし、シングルマザーは県営や市営住宅に入居できることもあります。もしそれが出来れば、月に2万円~3万円の家賃でまかなえる可能性もあるでしょう。
食費も意外とかかる場合が多い
食費は家賃などの固定費と比べて、工夫次第で削ることができる部分ではありますが、食べることは生きるために重要な要素になります。特に、育ち盛りの子どもがいる場合は十分な栄養を摂る必要があるので、食費を抑えることはふさわしくないですよね。母親と子どもで、月に3万円程度の食費は必要になるでしょう。
トータルでの生活費は約13万円
生活費は家賃や食費だけではありません。これらの他に、光熱費や教育費、医療費などが加えられます。それぞれの大まかな費用としては、光熱費が2万円前後で教育費が1万円~3万円。医療費などが1万円程度かかると予測しておけば良いでしょう。
これらをすべて合算すると、月に13万円程度の生活費が必要です。ただ、ひとり親家庭等医療費助成制度を利用できる場合は医療費が一割負担でまかなえるので、その分生活費を安くできるケースもあります。
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シングルマザーの生活費は収入と密接な関係がある
シングルマザーの家計は、約13万円の生活費でやりくりをしていることがうかがえます。
そのため、ちょっとした贅沢もなかなかできないのが現状ですよね。しかし、安い生活費でまかない続ける必要があるのは、シングルマザーの収入自体が低いからだという原因もあるのです。
シングルマザーの平均収入は年間243万円
厚生労働省の「平成28年度ひとり親世帯等調査結果」によると、シングルマザーの平均収入は年間で243万円という結果が出ています。
しかし、この金額はシングルマザーが稼いで得た金額以外にも、元パートナーからの養育費や助成金なども含まれています。そのため、それを除いて計算すると、収入はもっと少なくなることが推測できるでしょう。
シングルマザー自身の平均年入は200万円
養育費などを含まず、シングルマザー自身のみの収入に焦点を当てると、年収200万円となっています。(上記の調査結果に基づく)月に換算すると、16万円程度です。また、状況によっては養育費などの援助がない家庭もありますので、自由に使えるお金は生活費を引いて3万円程度しか残りません。
しかし、自由に使えるといっても、食費や雑費が多くかかる月もあるでしょうし、子どもが通う学校によっては教育費が高くなるケースもあるので、決してゆとりを持って生活できる金額ではないことが分かります。
シングルマザーの収入が低いのは雇用形態が原因
シングルマザーは45%程度が正規雇用で働いていますが、残りの半数程度は非正規雇用となっています。非正規雇用は働く時間や日数、待遇なども違うので、正規雇用と比べて収入がどうしても低くなってしまいます。そのため、どうしても生活費にかけられる金額が限られるのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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