公立小学校のクラスの定員が2021年度より、35人学級になることが閣議決定されました。「35人学級になったらどう変わるの?」と疑問に思うママやパパ、多いことでしょう。この記事では"35人学級"について詳しくご紹介していきます。就学中の子どもがいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
35人学級とは?何がどう変わるの?
35人学級と聞いて、35人のクラスになるということは想像できると思いますが、具体的に何がどう変わるのかについて、よく分からない方は多いでしょう。以下に、35人学級の概要についてお伝えします。
35人学級の概要について理解しよう
これまでの公立小学校では、1クラスの上限は40人までと決められていました。(小学1年生は既に上限35人まで)しかし、今後は、少人数制によるきめ細かな指導体制を徹底し、安全な教育環境を確保するために、35人までに引き下げる案が閣議決定されました。文部科学省は30人学級を目標に国へ交渉していましたが財務省がNGを出し、35人学級で折り合いがついた形になります。
35人学級はいつから導入されるの?
35人学級は2021年度から5年間かけて徐々に導入され、2025年度には全学年が35人学級になるスケジュールとなっています。また、現在の小学1年生はすでに35人学級になっているため、小学2年生から順次35人学級に変更していき、教員数の採用についても約14,000人規模の改善を図って行く予定です。そのため一気に35人学級に引き下げられることはないので、校内での混乱は起こりにくいと言えるでしょう。
35人学級に影響が出るのは1割程度?
今回クラスの人数の上限が35人になりましたが、元々35人以下のクラスだった学校も、多いと言われています。実は36人以上の学級を持つ学校は、東京都・神奈川県・埼玉県・愛知県の都市です。学校数が少ない地域などは、全国的に見ても全体の約1割程度となっているのです。そのため、35人学級が導入されたとしても、9割程度の子どもには全く影響がないという計算になります。
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35人学級のメリットを知りたい
続いては35人学級になると得られるメリット3つについて、ご紹介していきます。35人学級には一体どんな効果があるのでしょうか?気になる方も多いでしょうから、ぜひ確認してみてくださいね。
生徒の意識向上が高くなる可能性がある
35人学級になることの最大のメリットは、やはり生徒の学習能力が向上することだと言えるでしょう。例えば、発表形式の授業での1人当たりの持ち時間が増えるため、積極的に発言を促すことができます。また家庭科や体育などの実技の授業も時間をかけて指導できるので、質の良い授業を受けさせることが可能です。そのため、授業についていけない子どものフォローもしっかりと対応しやすくなるのです。
また、家庭訪問や個人面談も一人にたくさん時間を費やせるので、保護者が先生と会話ができる時間も増えます。
今までと比べて先生の負担を軽減できる
35人学級は生徒側だけではなく、先生側にもメリットがあります。学校の先生は宿題のチェックやテストの採点、授業の準備など毎日多忙を極めています。そのため、1人にかけられる時間が減っていき、子どもに対してゆっくりと接することができなくなっているのです。しかし35人学級になることで、先生の業務が軽減でき、子どもに目が行き届きやすい環境になるので、業務の質がぐっとあがることでしょう。
教室の空きスペースを有効活用できる
35人学級のメリットは、人に対してだけではありません。35人学級になるということは机が1列分減るので、教室を広く使うことができます。そのためのびのびとした環境で授業を受けることができ、さらにはコロナ禍の今の時期であっても安心して授業を受けることができるでしょう。さらに収納場所も増えるので、整理整頓がしやすく、空いたスペースを有効活用することも可能です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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