バースプランの定番ともなりつつある、出産時の音楽。「ぜひかけたい!」と思う方もいれば、「病院で音楽をかけてもいいって聞いたのだけれど、実際のところどうなの?かけるとどんないいことがあるの?」と疑問に思っている方もいることでしょう。ここではなぜ出産時に音楽をかけるのか、その理由とおすすめの曲についてご紹介します。
音楽がなぜ出産のサポートになるの?
そもそもなぜ出産時に音楽をかけるのでしょうか?それは「出産の助けとなるため」です。これは音楽に限ったことではなく、出産のときに行なうすべてのことはお母さんと赤ちゃんをサポートする目的で行なわれます。
しかし実際に出産の場面にならないと、何がサポートになるのかよくわからないかもしれません。まずは音楽がどのように出産をサポートしてくれるのか、期待される効果を見て行きましょう。
音楽は心身に影響を与えるから
音楽は五感に働きかけます。五感で感じたものは、心と体に直接作用すると言われています。例えば、リラックスすると心が緩むのと同時に体の力も抜けますし、「やるぞ!」と気合が入れば、体の中からエネルギーが湧いてきますよね。
このように音楽をかけることで出産の時にも心と体のスイッチを入れたり、スイッチを切り替えたりするきっかけになることが期待できるのです。
自分の感覚を磨くトレーニングになる
出産の場面で大切になるのは、お母さん自身の気持ちです。これは「痛みに耐えてがんばらなきゃ」「ポジティブでいないといけない」という意味ではなく、「あなた自身が誰よりもあなたに優しくしてあげる」ということです。出産の時だけ自分に優しくするのは難しいかもしれないので、妊娠中から感覚を意識づけるトレーニングをするのがおすすめです。
今の体感温度はちょうどいいかな?暑い?寒い?体の向きはこれでいい?何が食べたい?今どうしたい?などというように、音楽も同じように、聴いてみて自分がどう感じているかを味わってみてください。
そうすることで音楽と自分の気持ちが紐付けられ、その音楽を聴いたら赤ちゃんへの想いを思い出す、ホッとする、心地よい出産のイメージが浮かんでくるというような五感の特性を、活用することもできます。
出産の際に、気を紛らわせることができる
音楽を聴くことで気が紛れるという効果もあります。陣痛が来て急に不安を感じた時や周りの人の動きが気になってしまうような時に音楽をかけると、そちらに意識を向けることができ、自分の感覚に戻る手助けをしてくれることでしょう。
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デメリットはあるの?かけない派の意見
実際に音楽をかけて出産に臨んだ人のなかには、良いことばかりではなかった、自分には合わなかったと感じる人もいるようです。インターネット上にもさまざまな声が挙げられていましたので、そのいくつかをご紹介します。
集中したいのに・・・優しい音楽に腹立つことも!?
まず多かったのは「気が散った」「腹が立った」という意見。集中したいのに流れてくる音楽に気を取られた、やる気を出したい場面でリラックスする音楽が流れていて力が抜けてしまったといった声がありました。
中には陣痛に耐えている自分の状況と優しい音楽が合わなくて、イライラしたという人も。ある意味ではお母さんのこのような気持ちには共感できますね。
音楽に耳を傾けている場合ではなかった
「聴いている余裕はなかった」という人も少なからずいます。もしかしたら意識して聴いていなくても自然と耳に入って心身に作用しているかもしれませんが、あってもなくてもどちらでも良かった、音楽はそれほど重要ではなかったという意見もありました。
かける?かけない?大切なのは今!
音楽を活用するには「好きな曲、心地よくリラックスする曲や気分の上がる曲、励まされる曲など、さまざまなシチュエーションに合わせた音楽を用意しておく」というのが良いようです。せっかく音楽の力を借りるなら、その時どきで今の自分の気持ちに合った音楽を使えるといいですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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