結婚してから、食事をするときも寝るときも一緒だという夫婦も多いことでしょう。基本的に同じ屋根の下で過ごしているわけですから、必然的に共に過ごす時間が増えるのは、不思議なことではありません。ただいつでも一緒の夫婦は、距離が近すぎるゆえにケンカになったり、プライベートの時間が取りづらくて不満がたまったりしてしまうこともあるようです。またこのような事態を避けるために、夫婦でも別の寝室を設ける方もいます。ここでは、夫婦の寝室を別にすることのメリットなどについてご紹介します。
実際にはどのぐらいいる?別の寝室を使っている夫婦
「夫婦は一緒の寝室を使う」という固定観点がある方もいるかと思います。では実際にお互いに居心地が良い空間で過ごせるために、夫婦で別の寝室を使っているカップルはどのぐらいいるのでしょうか?ある電力会社が行った調査をもとに、解説します。
20代の若い世代では4.2%と低めである
まず年代別で見てみると20代の夫婦が寝室を別にしている割合は、4.2%というデータが出ています。20代といえば結婚して間もないけれども、仕事などで忙しく、寝室がお互いにゆっくりと話ができる空間になっている場合も多いかもしれませんね。また住宅事情などで夫婦が別の寝室を持つことができないケースもあるのでしょう。
子育て世代の30代は23.7%、40代は31.8%
一方、30代~40代の夫婦では、20代の夫婦と比べて夫婦別寝室の割合が高くなっています。きっかけとしては新築や引っ越し、育児などが理由となる場合があるようです。また、40代はお互いに夫婦の関係が落ち着いたものとなってくる時期でもあります。お互いがそれぞれの時間を必要としたり、生活リズムの違いによって、夫婦が別の寝室で過ごす方が快適に感じることもあるのでしょう。
50代の夫婦では34.2%と高くなる
50代以上になると、約1/3の夫婦が寝室を別にしていることが分かります。年齢的に、今のライフスタイルに合った家の住み替えやリフォームをする夫婦もいますし、子どもが巣立って部屋があいたことがきっかけになることもあるようです。また定年を迎えることで、夫婦が1日中一緒にいることも多くなりますので、別の寝室で過ごせばお互いにストレスが減るという声も見られます。
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夫婦が別の寝室を使うことのメリットについて
夫婦が別の寝室となることは、数多くのメリットがあるといわれています。メリットがあるからこそ、お互いの気持ちにも余裕が生まれ、夫婦の仲も円満になるのでしょう。ここでは別寝室のメリットについて詳しくご紹介します。
それぞれがお互いに気をつかわずに眠れる
夫婦が一緒の部屋で寝ていると、必然的にお互いのことを気にしなければなりません。しかし別の寝室を使えば自分だけのことを考えればいいので、気持ちが楽になると言えます。
例えばパートナーのいびきに悩まされることもなくなりますし、ドアを閉める音や寝返りなどの相手の気配を感じることで熟睡できず、夜中に目が覚めることも少なくなります。また冷暖房の温度も自分好みに調整できるため、快適な時間を過ごすことが可能になるのです。
個人で自由な時間が持てるようになる
いくら信頼関係が強い夫婦といえども、生活リズムが違う者同士で一緒の空間で過ごしていると、息がつまることも少なくありません。例えば、夫は起きて用事をしたいのに妻は早く寝たいとなると、どちらかの希望を犠牲にしなければならないことも出てくるでしょう。
その点寝室が別であれば、就寝前に読書や動画配信で映画を見たりなど自分の好きなことができる時間を持てるようになります。つまり自分の好きな時間に相手を気にせず眠れるのです。
パートナーに干渉・束縛されることが減る
夫婦は協力し合って生活するのが望ましい姿といえますが、時には夫婦喧嘩をすることもあるでしょう。喧嘩中はお互いに腹が立っているにも関わらず、寝室が一緒だと顔をずっと合わせる必要があります。その状況下にいることで、喧嘩の延長戦が勃発することもあり得ます。また喧嘩ではなくても相手の会話をずっと寝るときまで聞き続けるのは、精神的にしんどいと思ってしまうこともめずらしくありません。
しかし夫婦が別の寝室だと一緒に過ごす時間が減るので、干渉や束縛されていると感じることも少なくなり、リラックスした気持ちになれます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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