中学受験は志望校を決めてからが本番です。まずは目標となる中学校を決めるために、積極的に見学にいきましょう。見学は、子どものモチベーションアップにもつながります。中学校見学を始める時期、見学の際のポイントについて、解説します。
この記事のもくじ - 項目をクリックで該当箇所へ
学校見学は3年生から
中学受験の準備は小学校4年生から始めるのが一般的です。それからでもいいのですが、もっと漠然と「中学受験もいいな」と感じているなら、3年生から学校見学へいくことをおすすめします。説明会は退屈でも、文化祭の見学なら、子どもも楽しく過ごせるでしょう。
文化祭・学校説明会・オープンスクールの違い
学校見学をおこなう機会はいくつかあります。学校にもよりますが、文化祭、学校説明会、オープンスクール、そして6年生に向けての入試説明会が一般的です。それぞれ特徴があり、学校を多角的に見学できるので、気になるところはそれぞれ出掛けてみるとよいでしょう。文化祭は、子どもも楽しく見学できますし、生徒の自主性や教師との関係を見ることができます。学校全体の雰囲気も推し量れ、子ども自身が合う合わないの感覚を持ちやすい行事です。オープンスクールは、授業に参加したり、部活を体験できたり、実際の学校生活の体験ができます。子ども自身が中学受験をしっかり意識した頃にいくのがおすすめです。学校説明会、入試説明会は親の出番。大人の視点で学校を評価しましょう。
見学スケジュールは年単位で管理する
いろいろな学校を見てみたいと思うのは当然ですが、文化祭は年に一度。しかも、各校の文化祭や学校説明会は時期が重なります。週末は模試の予定も入ってきますので、意外にチャンスは少ないと考えたほうがよいでしょう。見学スケジュールをしっかり管理するのはもちろん、年単位の計画が必要です。3年生で雰囲気を味わい、4年生5年生で徐々に志望校をしぼり、6年生では本命を決定するための最終見学、というように意識してみてください。学校によっては、運営方針の転換や校長交代によって大きくカラーが変化するところもあるので、情報を仕入れつつ、見学計画をたてましょう。
合わせて読みたい
学校見学のポイント
第一子の場合、親としても中学校は初体験になりますから、何を見て判断したらよいのか迷いますね。中学校見学の際には、子ども目線と親目線で見るべきポイントが違います。事前にどんなことを知りたいのか項目を書き出して、しっかりメモを取りながら見学することが大切です。
文化祭で学校全体の雰囲気をチェック
文化祭は楽しい催しで、子どものモチベーションも上がります。ここでは、学校全体の校風や雰囲気をチェックしましょう。私立の中高一貫校は、大別するとふたつのタイプにわけられます。ひとつは、生徒の自主性を尊重し、自由な活動を応援するタイプ。もうひとつは、学習面や生活面で手厚い指導があり、生徒をうまく導いていくタイプです。こうした学校の方針は、生徒と先生の関係性や文化祭の雰囲気にあらわれてきます。わが子には、どちらの校風が合っているのか、子ども自身はどのように感じているのか、直感的な印象を大事にしてチェックしてみましょう。
説明会では保護者の態度をチェック
説明会では、校長先生や指導主任といった、先生側のお話を聞くことができます。全体説明のあと、個別指導をおこなってくれる学校もあります。学校として力を入れている点を説明してくれるので、じっくり話を聞きましょう。入学後の心配ごとなど、「合格してから」と思わず事前に質問して解決しておいてください。説明会に来ているほかの保護者の様子も要チェックです。真剣にメモを取っていたり、的確な質問が出たりするような学校は、今後伸びていく可能性があるといいます。保護者の熱心な態度は、学校の姿勢がそれだけ評価されている証拠です。受験まで数年、中高一貫校だと入学後は6年間通う学校ですから、活力があり、伸びていく学校を選びたいですね。
合わせて読みたい
見学後は親子で振り返り
首都圏の私立中高一貫校は大変数が多く、ダブルヘッダーで説明会を回る人もいるでしょう。見学後は、親子で振り返りをおこなうことをおすすめします。見学の際のちょっとした違和感や、いいなと感じたことを共有しておくと、志望校決定がスムーズです。
子どものやる気をつぶさないアドバイスが大事
見学したあとの子どもの様子はどうでしょうか。「楽しかった!」「思っていたのとは違った」など、いろいろな感想があるでしょう。親が受けた印象とは別なものを感じていることがあるかもしれません。まずは子どもの気持ちを受け止めてあげることが大事です。そのうえで、大人の目線で感じたこと、子どもにとって有益だと思われるアドバイスをしてあげてください。「あなたには合わないかも?」という決めつけは、子どものやる気をつぶしてしまいます。「わたしはこう思うけど、どうかな?」と自分で考えさせる言い方を心がけましょう。
ノートに書き出し「見える化」を
親も子も毎日忙しく、記憶はどんどん薄れていきます。まずは、学校見学のポイントをノートに書き出して「見える化」を。ご両親が一緒に見学にいければいいのですが、どちらか一方しかいけなかった場合は、情報共有の手段にもなります。家からの通学時間、先生の印象、学校の設備、生徒の様子など、気になったことはメモをもとに話し合い、結果を記録しておきます。スケジュール管理をするノートに記録して一冊にまとめておけば、見返す際も楽です。大手の進学塾は、学校見学のスケジュールをまとめた冊子を用意しているところもあります。活用しましょう。
おわりに
「中学受験は親子の受験」とよくいわれますが、最終的に受験して学校生活を送るのは子ども自身です。本人が楽しく、やる気を持って取り組めるように、環境を整えるのが親の役割だといえます。学校見学も、まずは学校の雰囲気を楽しんで。「こんなお兄さん、お姉さんになってくれたらいいな」と思うような生徒がいる学校を探してみましょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。