子どもの事故は、公園や駐車場などの屋外だけではなく、家のなかでも起こります。特に、好奇心いっぱいで何でも自分でやりたがる年齢の子は要注意。0歳から6歳の間で起こりやすい事故について、製品調査技術基盤機構(nite)の調査結果をもとにまとめました。安全対策と注意すべきポイントについて解説します。
子どもの屋内事故は1歳児に多い
独立行政法人 製品調査技術基盤機構(nite)の調査は、2013年から2017年に通知された製品事故情報に基づいています。調査によると、0歳から6歳の子どものうち、屋内事故件数がもっとも多いのは1歳児でした。全体数の半数以上が0歳から2歳の子どもの事故となっており、やはり幼い子ほど注意が必要だということがわかります。
一番件数が多い事故は「やけど」
事故の内容で一番多いのは、やけどです。全体数の約半数をしめています。意外なことに、原因の多くはウオーターサーバーなのです。業務用の印象が強い製品ですが、最近では家庭用の小型タイプが普及しており、卓上型もあります。授乳に便利な温水が出る製品もあり、赤ちゃんがいるお家には便利ですね。基本的には安全装置が付いていますが、事故にあった子どもは温水コックにぶらさがる格好になり、偶発的にチャイルドロックがはずれてしまったという報告がありました。製品は正しい使い方をしないと、安全を確保できません。そのほかにやけどの原因としては、加湿器の蒸気、電気ストーブ、炊飯器などがあげられます。
年齢別事故発生件数
事象別事故発生件数
原因は「好奇心」と「行動力」
直接の原因はいろいろありますが、子どもの事故の原因は「好奇心」と「行動力」です。子どもは、大人が思いもよらないような行動をします。しかも、身体能力は日々向上していくので、昨日できなかったことが今日できるのはあたりまえ。特に1歳児は、伝い歩き、独立歩行ができるようになり、行動範囲が一気に広がる時期です。しかし、まだまだ赤ちゃんですから、何が危険なものかわかません。さわって口に入れて確かめるという行動が事故につながったり、まだまだ制御がむずかしい身体の動きが邪魔になって事故を起こしたりします。
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注意したい 子どもの事故の種類
やけど以外にも、注意したい子どもの事故があります。調査によれば、やけどの次に多いのは「身体の挟み込み」です。続いて「下敷き」「転落」「誤飲」「転倒」「溺水」「閉じ込め」の順になります。「下敷き」はテレビやテレビ台が倒れてしまったもので、つかまり立ちが原因かと考えられます。「閉じ込め」は数は少ないのですが、ドラム式洗濯機に閉じ込められてしまった事例がありました。
身体の挟み込み・転倒事故
やけどの次に多いのは、身体の挟み込み事故です。幼児用のいすや家の扉に、手や指を挟むことがあります。幼児用のいすには、テーブルのないタイプと食事用に使えるテーブル付きのものがありますね。このテーブルの取り付け部分に要注意です。また、ふすまや障子と違って、扉はちょうつがいがあります。この付近に手を置いてうっかりしめてしまうと大変です。屋内での転倒は、転んだ先に机の角があるケースや、歯ブラシをくわえたまま転んで口のなかをケガするケースがあります。頭が重い幼児は転びやすいので注意してください。
誤飲・溺水も注意が必要
誤飲にかんしては、おもちゃなどを口に入れてのどが詰まる事故と、たばこの吸い殻など有害な物質を飲み込んでしまう事故にわかれます。特に気を付けたいのは、ボタン電池の誤飲です。小さなものですからのどには詰まりませんが、胃壁や食道の壁に穴をあけてしまいます。やっかいなのは、飲んだことに気づきにくい点です。電池の使われている電子機器は子どもの手の届かない場所に置くのが鉄則です。気づきにくいと言えば、溺水も同じです。屋内では、お風呂に浮かぶフロートを使用していてひっくり返ったり、身体がはずれて沈んでしまったりする事故が起きています。子どもは水に沈んでも、大暴れしたり声をあげたりすることはまれで、静かにおぼれてしまいます。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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