学校へのスマホ持ち込みについては2009年に「原則禁止」になっています。しかし政府は2019年2月に「原則禁止を見直す」と発表しました。大きな地震や災害が続いている中で、政府や学校もスマホの扱いに悩んでいる様子です。
今回は「学校へのスマホ持ち込みについて」親の立場から考えてみましょう。持ち込み賛成派と反対派の意見をふまえて、スマホと子どもの上手な付き合い方を紹介します。
学校へのスマホ持ち込み賛成派の本心
「小中学生の携帯電話利用」アンケートによると「スマホを持っている子ども」は小学校低学年で8・4%、中学年は14・8%、高学年では26%となります。子どもにスマホを持たせる理由の大部分は「緊急時に備えて」です。たしかに緊急事態は、登下校のときにおこる可能性もあります。学校へのスマホ持ち込み賛成派の保護者は、果たして緊急時の備えだけが目的で持ち込みに賛成しているのでしょうか。まずは賛成派の意見を紹介しましょう。
子どもの安全な登下校のために持ち込むべき
学校へのスマホを含む携帯電話持ち込みについては、2009年に文科省から原則禁止と発表されています。しかし2018年の大阪北部地震が発生したときに「子どもと連絡がつかなかった」という保護者の声があったため、大阪府は2019年4月からは持ち込み可にすると発表しました。大きな地震が発生したとき、一番気になることは家族の安否です。登下校中に何かがおきたとしても、スマホを持っていればすぐに安否確認ができます。せっかくスマホという便利なものがあるのに使わない方がもったいないといえるでしょう。
どんなことでも「規制し過ぎ」は逆効果
スマホの持ち込みに反対する人は、子どものスマホ依存を心配しているからではないでしょうか。スマホを持っている子どもは、学校に持ち込まなくても家に帰れば好きなだけスマホをいじります。「登下校はダメ」「学校ではダメ」と規制ばかりしていると、余計にスマホに執着してしまうかもしれません。例えば「学校に入ったら先生がスマホを預かって一括管理する」というルールを作れば、学校にスマホを持ち込んでも問題ないかもしれません。
小さいときから積極的に正しく使う方が合理的
むしろ積極的に学校に持ち込むべきという考えもあります。これからの時代は大人も子どももスマホを持つのが当たり前です。小さいときからスマホを使いこなすことで、よりスマホを効率的に使うことができるはずです。「危ないから与えない」という考えではなく、むしろ学校でも家でもスマホを持たせて「正しい使い方」を教えた方が合理的かもしれません。
合わせて読みたい
学校へのスマホ持ち込み反対派の本心
2009年に政府が学校へのスマホ持ち込みを禁止した理由は「学校活動に必要ないから」でした。授業には、たしかに必要はないのかもしれません。しかしスマホ持ち込みを反対する保護者の本心には、もっと複雑な思いがあります。ここからは、反対派の意見を紹介していきましょう。
スマホはいじめの温床になるから
スマホを持てば、ラインやSNSのように、親の目が届かないコミュニケーション手段が増えます。ラインやSNSは「グループ」に入らなければトークに参加できません。親としては、スマホを持たせることでいじめの可能性を増やすくらいなら、いっそ持ち込み禁止にしてほしいというのが本心でしょう。
学校にいる時間をスマホに奪われる
持ち込み賛成派に「ルールを作ればいい」という意見がありますが全員にルールを守らせることは難しいでしょう。隣の席の子どもが授業中にこっそりスマホをさわったり、授業中に着信音がなったりしたら授業に集中できません。
また、休み時間中にゲームばかりするようになると、校庭での鬼ごっこやドッチボールなど友達との関わりが減ってしまうことが考えられます。
スマホを持てる子と持てない子の格差が心配
スマホは無料ではありません。購入費や月額使用料が発生します。学校への持ち込みが許可されれば「スマホを持てない子」もいるはずです。また、スマホを持っていたとしても最新の機種への買い替え競争が始まる可能性もあります。子どもの格差が問題になっている時代に、新たな火種になるようなことを許可することはないのではないでしょうか。
合わせて読みたい
「子どもの生きる力を引き出す!」をモットーにして、小学生二人の子育てをしています。現在は、30代後半になりましたが、武蔵野美術大学在学中から物書きを開始しました。職歴は、大学卒業後に会社員として働き、結婚を機に退職しました。現在はフリーランスのライターをしています。保持資格は、簿記3級と秘書検定2級と英検2級です。趣味は「資格の勉強」で、現在は保育士資格取得を目指して勉強をしています。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。