現在民間の賃貸物件に住んでいる人にとって、家賃は家計に大きな負担となっていることでしょう。特に出産後など、これから子どもの育児に教育費用とさまざまなお金がかかることを考えると、できるだけ安く住める物件があれば助かりますよね。
今回は、家賃が民間の物件よりも安いといわれる「公営住宅」にスポットを当ててご紹介していきます。
公営住宅とは?UR賃貸住宅との違い
公営住宅とは、民間で取り扱われている住宅と異なるものの、実際にはどういう決まりのもので成り立っているのかよく知らない人も少なくありません。また、UR賃貸住宅という言葉も耳にしますが、その違いは何なのでしょうか?
公営住宅とはどういうもの?
公営住宅とは、都道府県や市町村などの地方自治体が一定条件にあてはまる住民に対し、提供する住宅のことです。公営住宅法にもとづき運営されており、入居条件には、現在住む場所に困窮していること、政令が定めている基準である月収15万8000円以下(上限は25万9000円まで)であることなどがあります。
その他、自治体によって異なる要件や同居親族に関する要件などもあり、法律で定められているのが現状です。
【入居者資格】
〇入居収入基準
・月収25万9千円(収入分位50%)を上限として、
政令で規定する基準(月収15万8千円(収入分位25%))を参酌し、条例で設定
・ただし、入居者の心身の状況又は世帯構成、区域内の住宅事情その他の事情を勘案し、
特に居住の安定を図る必要がある場合として条例で定める場合については、
月収25万9千円(収入分位50%)を上限として基準の設定が可能〇住宅困窮要件
現に住宅に困窮していることが明らかであること
UR賃貸住宅とはどういうもの?
UR賃貸住宅とは、地方自治体ではなく都市再生機構が運用している住宅を指します。保証人不要で借りることができ、礼金や更新料なども不要といったメリットがあります。初期費用が比較的かからないため、学生にも注目されています。
また、高齢者向けのUR賃貸住宅もよく見受けられます。
- 礼金なし
- 仲介手数料なし
- 更新料なし
- 保証人ナシ
公営住宅とUR賃貸住宅との大きな違い
双方の大きな違いは収入による入居条件が異なる点です。公営住宅では、比較的低所得者層向けに用意された住宅であり、例えば収入がアップしてきた場合には退去せざるを得ないということになります。
一方でUR賃貸住宅は、定められた基準以上の収入があることが求められます。最近ではタワーマンションやおしゃれにリノベーションした物件をそろえています。また、モデルルームではイケアのインテリアを使って空間提案をしている物件もあり、人気のようです。
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公営住宅は子育て世帯でも住めるの?
公営住宅は、所得に応じて住める対象であるかどうかが変わってきますが、子どもを持つ世帯でも住めるのでしょうか?何か優遇されるポイントはあるのか、見ていきましょう。
さまざまな自治体が子育て世帯向けの公営住宅を整備
昨今では少子高齢化が進んでいます。さらに子どもを持つ若年層の世帯は、働き口・子育てのしやすさなどの利便性を求めて都市部へ引っ越す場合もあります。都市郊外や地方では、若年層の流出を防ぐべく自治体がさまざまな取り組みを行っています。公営住宅についても、自治体によっては子育て世帯向けに優遇して募集をしている物件をはじめ、居住条件を緩和したり、住みよさに着目したりしているのもポイントです。
子育て世帯向けの公営住宅や支援制度【一例】
子育て支援向けの公営住宅には、それぞれの自治体によって入居対象者が若干異なります。例えば埼玉県の子育てハッピー県営住宅(若年世帯向け子育て支援住宅供給事業)では、夫婦ともに39歳以下(子どもの有無は問わない)、入居期間は10年などさまざまな条件があります。
また、横浜市では、2012年に横浜市営住宅条例を改正し、対象世帯を中学校卒業程度の子どもを持つ世帯まで拡大。子育て世帯に対する支援の拡充につながっています。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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