夫の海外赴任に帯同して、海外で生活を送る『駐在妻』。日本ではセレブなイメージもあることから、駐在妻にあこがれている女性も少なくないはず。そこで今回は、駐在妻の実態について掘り下げていくとともに、駐在妻のメリットやリスクについてもご紹介していきますので、駐在妻について詳しく知りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
駐在妻にあこがれる女性は多い?そのメリットとは
夫の海外赴任が決まったとき、帯同して一緒に海外に行くか、そのまま日本に残るか悩む方も多いでしょう。そもそも、駐在妻とは「海外で働く夫(駐在員)の妻」のことを指しており『駐妻』と略されることもあります。では、駐在妻になるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
海外で住むためのビザがおりやすい
海外に3カ月以上滞在する場合、多くの場合はビザが必要となります。ビザは国によってさまざまな条件があり、取得することが年々厳しくなっています。30歳以下であれば、ワーキングホリデービザなどを利用することができますが、それ以外となると、ビザがなかなかおりないということも少なくありません。しかし、駐在妻となれば夫の会社がスポンサーになってくれるため、ビザがおりやすいということがメリットになります。
赴任先で外国語を学ぶことができる
当たり前のことですが、海外に行くと外国語を体感するようになります。もともと海外に興味のある妻であれば、外国語を肌で感じながら学べることは大きなメリットですよね。駐在妻の中には、空いた時間を使って大学や語学学校に通い、外国語を勉強している方も多くいます。また、語学学校では駐在先の言語だけではなく、他の国の言語も学ぶことができるため、さまざまな言語を勉強したいと思っている方にとっては、うれしい環境だと言えるでしょう。
新しい環境に身を置くことができる
駐在妻となれば、日本とは異なる文化の国に行くことになりますから、毎日の時間の使い方や人間関係など、日本で生活していたときとは全く環境が変わることになりますよね。これは、現状に満足していない人にとっては、自分を変える絶好のチャンスになります。自分で環境を変えることはなかなか難しいことですが、駐在妻になることでいや応がなしに環境や付き合う人間が変わることになるのです。さまざまなことにチャレンジし、新しい自分を発見できるということは、人生観が変わることにもつながります。
合わせて読みたい
意外と知られていない駐在妻のデメリット
華やかでぜいたくなイメージを持たれやすい駐在妻ですが、必ずしも駐在妻全員がそのような暮らしをしているわけではありませんし、私たちの知らない駐在妻ならではの苦労も多くあります。ここからは、駐在妻になるリスクについて見ていきましょう。
日本での仕事を辞める必要がある
駐在妻になると、長期間海外で住むことになりますから、現在仕事をしている妻の場合は仕事を辞める必要があります。会社を辞めることに抵抗がない方は問題ありませんが、今まで一生懸命キャリアを積んできた方にとっては、辛い選択を迫られることもあるでしょう。最近では現地で在宅ワークをする駐在妻もいますが、夫のために自分のキャリアを犠牲にするということは、キャリアウーマンにとって、大きなデメリットだと言えるでしょう。
子どもの転校手続きや勉強の遅れ
子どもがいる家庭の場合、海外赴任になると子どもの学校の転校手続きが必要になります。必要な書類の用意や学用品の入手など、やるべき手続きは多いものです。また、子どもには現地の外国語と母国語である日本語を両立して学ばせたいと考える方も多いでしょう。現地のインターナショナルスクールに入れば外国語は話せるようになりますが、子どもの日本語力や学力のレベルアップには、母親であるあなたがサポートしなければならないため、あなた自身も勉強する努力が必要になります。
身近に相談できる人がいない場合が多い
日本とは文化も違い、言葉も通じない国で暮らすことで、最初のうちはストレスを感じることが多くなります。ポジティブで社交的な性格の持ち主なら、すぐに周囲と馴染(なじ)むこともできるかもしれませんが、身近に自分の悩みを相談したり、愚痴を言ったりできる家族や友人がいないことで、辛く寂しい思いをしている駐在妻も多くいます。その分、夫との時間を持つことができれば良いですが、夫の仕事が忙しいために難しい場合も多く、ついつい家に引きこもりがちな生活を送ってしまうこともあるようです。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。