「ちょっとだけゲームをしよう」と始めたつもりが、気が付くと長時間スマホとにらめっこをしていたという経験はありませんか?しかし、このような状態が続いてしまうと、スマホなしでは生活できない「スマホ依存」に陥ることもあります。親子で考えるスマホ依存とその対策について、ご紹介します。
子どものスマホ依存は、人ごとではない
スマホを持っているだけで、いつでもどこでもネットにつなぐことができたり、好きなゲームをしたりすることができますよね。そのため、つい夢中になってしまいがちです。その影響もあってか、2013年に厚生労働省が行った「中高生を対象にした調査」によると、ネット依存(スマホ依存)になっている子どもの割合が、中学生で6%、高校生で9.4%という約52万人もいることが報告されています。
スマホ依存の特徴とはどういうもの?その1
スマホ依存になると、さまざまな特徴が現れます。例えば、
- スマホなしで1日を過ごすことに、異常な不安を感じる
- 友達と一緒にいる時でもスマホいじりがやめられない
- お風呂やトイレにでもスマホを持ち込む
などが上げられます。
さらに、これらが悪化すると、人とコミュニケーションをうまく取ることができなくなったり、猫背な姿勢や指が変形してしまったりなどの変化が生じることもあります。
スマホ依存の特徴とはどういうもの?その2
スマホ依存は、人と人とのコミュニケーションをゆがませるだけではなく、身体面へも深刻な影響を及ぼすことがあります。中でも、スマホのブルーライトが脳に悪影響を与え、頭痛や吐き気、血流が流れづらくなることにより起こる肩こりなどが生じることが多いといわれています。また、スマホに依存することで脳の疲れとともに、生活習慣も乱れ、うつ病やパニック障害を引き起こすこともめずらしくありません。
スマホ依存は子どもだけの問題ではない
上記で、中高生の約52万人がスマホ依存に陥っているとお伝えしましたが、スマホ依存は子どもだけの問題ではありません。スマホ依存の可能性は、大人でも高いリスクを持ち合わせています。成人し、社会人になった方がスマホから片時も離れることができなくなり、しまいには会社にも行けなくなってしまったという例もあります。また、子どもを持つ母親や父親も、子どもと一緒にスマホばかりを見る生活を続けているというケースも少なくありません。そのため、子どもに注意をする前に、大人自身がスマホに向き合うことが大切です。
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あなたは大丈夫?スマホ依存の確率
某研究所が、スマホを所有する15歳~59歳の男女562人を対象とした「スマホ依存に関する調査」を行ったところ、スマホ依存を自覚している方が8割近くいることが分かっています。100人いれば、80人の方がスマホ依存を自覚しているため、非常に多い人数であることがうかがえます。
親子の会話は減っていない?
スマホ依存が疑われたら、最近スマホを使用する時間が長すぎて、親子で会話をする時間が減っていないかどうかをチェックしてみましょう。例えば、スマホをいじりながら親子で会話をしている瞬間はないでしょうか?このような場合、意識はスマホに集中していますので、必然的に会話が減っていることが多いものです。親子の会話が少なくなってきた原因のひとつとして、スマホ依存が潜んでいる場合があります。
不安なら「スマホ依存・セルフチェック」でチェック
親子の会話が減っており、「もしかして、わが家もスマホ依存かも」という不安がより募った場合は、「スマホ依存・セルフチェック」をしてみましょう。セルフチェックは、インターネット上などでさまざまなチェック法が公開されていますので、親子一緒に試してみることをおすすめします。結果として、スマホ依存の可能性が疑われた場合は、親子で今後のことや、今の状態を改善するにはどうしたら良いかなどを話し合う機会を持つことが大切です。
スマホ依存の最大の敵は、無自覚なこと
スマホ依存に自分が陥っていることが理解できれば、対策を練ることもできます。しかし、自分は依存になっていないと思っている方ほど、実際は深刻な状態だったということが多くあります。つまり、スマホ依存には自覚がないケースもあり、スマホを使っているうちに、より状態が進行していくことが懸念されるのです。身体の具合を悪くして病気に発展してからでは大変なので、このリスクを防ぐためにも、自分だけではなく家族に対しても、自覚を促すところから始めましょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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